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日向坂46 小坂菜緒が語る、青春の輝きとノスタルジー 「自然な表情を出すには、素直に楽しむことが大事」

2021年06月26日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

日向坂46 小坂菜緒

 日向坂46の小坂菜緒の1st写真集『君は誰?』(集英社)が6月29日に発売される。高校生活最後の夏。18歳の素顔を閉じ込めた青春のアルバム。幼さと大人っぽさの2つの表情に加え、初の水着カットが収録されており、アイドルとして、一人の女性としての小坂菜緒の成長が感じられる一冊となっている。


 高校を卒業してから初めての夏を迎えようとしている今、10代のうちに写真集を出すことが夢だったと語る小坂菜緒が、本作を見返して思うこととは。記念すべき1st写真集の撮影を振り返りながら、今の気持ちを聞いた。


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■撮られることが好き


――1st写真集の発売おめでとうございます! 出来上がった写真集を見て感じることはありますか?


小坂:青春時代の思い出を閉じ込めた思い出のアルバムのような写真集になりました。見返していると楽しかった撮影の記憶が蘇ると同時に、高校生活が終わってしまったんだなぁと感慨深くもあります。それに、10代のうちに写真集を出すことが一つの夢だったんですよ。簡単に出せるものではないですし、叶えることができて幸せです。


――高校卒業後、生活に変化はありますか?


小坂:特別大きな変化はないです。日常から学校がなくなっただけって感じです。それよりも、お仕事に集中できる時間が今まで以上に増えたので、一人のアイドルとしてもっとしっかりしないとと、より意識が高まりました。


――初めての写真集です。ここまでひとりの被写体として、集中して撮影されることはないかと思うのですが、小坂さんはどのように向き合いましたか?


小坂:写真を撮られることは昔から好きなので、とにかく楽しんでやっていました。それこそ本作では素の笑顔だけじゃなく、普段は見せないようなカッコいい表情まで、いろんな私を撮っていただけたので、もう大満足です。


――では、点数をつけるなら100点満点ですか(笑)?


小坂:はい。100点と言ってあげたいです(笑)。


――普段やられているグラビアとは、やはり撮影の雰囲気もまた違いますよね。


小坂:そうですね。特に今回は、専属モデルを務めさせていただいている『Seventeen』(集英社)で普段からお世話になっているスタッフさんに囲まれての撮影だったので、慣れ親しんだ空気感のなか、気持ちもリラックスできました。何日間撮影したのか覚えていないくらいゆったりとしたスケジュールで撮っていただいてますし、日常的な表情をたくさん見ていただけると思います。


――ちなみに、グループに加入されてからいちばん最初に行ったグラビア撮影のことは覚えていますか?


小坂:めちゃくちゃ覚えています! 確かいちばん最初にソロで撮っていただいたのは、2017年の少年誌のグラビアでした。緊張して、全然表情が作れなかったんです。実際に誌面を見返したときも、「もっとうまくできたんじゃないか」とちょっと反省しました。


 ただ、表情やポージングを研究するなど、努力することでどんどん良くなっていくことも実感できたので、最初のうちから撮られることの楽しさは感じていました。その頃に比べると、今はだいぶ成長したと思っています(笑)。


――では本作は、これまでの撮影から学んだことや研究してきたことの集大成でもあるんですね。


小坂:そうなっていたら嬉しいです。本作の撮影では、とにかく素直な気持ちで楽しむことを大切にしていました。自然な笑顔が出ている写真って、写真そのものが笑っているような感じがしませんか? 同じ笑顔でも、自然に出たものと作ったものとでは、伝わり方が全然違いますよね。自然な表情を出すには、素直に楽しむことが大事。それは、これまでの経験があったからこそ、意識できたと言える気がします。


■青春の思い出


――写真集の内容について詳しくお聞きしたいのですが、本作のなかで小坂さんのこだわりが詰まっているカットはありますか?


小坂:セーラー服を着ているシーンです。実はこれ、青春コメディ漫画の『からかい上手の高木さん(小学館/以下、『高木さん』)』をイメージしているんです。高校生活最後に制服を着て撮ることは決まっていたんですが、どんな感じで撮ってもらうかずっと迷っていて。そこで、そのときちょうどハマって読んでいた『高木さん』の “恋人じゃないけど気になる存在”、“近いようで近くない距離感” が、私が想像していたイメージにピッタリだと気がついたんです。スタッフさんに「こういう漫画があるので、読んでください!」と提案して、制服も『高木さん』のイメージでセーラー服を用意していただきました。


 けやき坂46(現・日向坂46)の2期生としてお披露目をさせていただいたときもセーラー服を着ていたので、セーラー服には何かと縁があるんです。これはもう、写真集でセーラー服を着るしかないなって。


――確かに、同じ制服でもブレザーとセーラー服とではだいぶ雰囲気が変わりますよね。ほかにお気に入りの衣装はありますか?


小坂:ぶどうジュースを飲んでいるカットで着ている衣装が、爽やかでかわいらしくて好きです。大きな麦わら帽子も被らせていただいて、日本なのに海外旅行でバカンスを楽しんでいるかのような気分になりました。


 たくさんの衣装を用意していただいたので、衣装選びの時点でスタッフさんと「この衣装はこんな感じで撮りたいね!」と盛り上がっていました。ヘアメイクも私の方から提案してみたり、慣れ親しんだスタッフさんだったからこそ、あえてお任せにしてみたり。撮影前から既に楽しかったです。


――チームワークの良さが写真からも伝わってきます。どの写真も素敵ですが、小坂さんがいちばん好きなカットはどれになりますか?


小坂:最後の方にある線香花火をしているカットですかね。自分で写真集を見返したとき、この一枚を見て「寂しいなぁ」って感じたんですよ。「また会いたいなぁ、また見返したいなぁ」って。


 同期の(渡邉)美穂がけやき坂46時代に1st写真集『陽だまり』を出しているんですけど、私、この写真集がすごく好きで。それこそ、美穂が18歳のときの写真集です。美穂は普段からよく笑う子なので、写真集にも笑顔のカットがたくさんあります。でも、そこにふと現れる大人っぽい表情がとても魅力的に感じられて、「またあの美穂に会いたい」って何度も見返してしまうんです。この感覚を自分の写真集でも表現したいと思っていましたし、線香花火のシーンはまさにそう感じていただける表情が出ているんじゃないかなぁって。


――確かにそうですね。一冊を通して、そんな写真集になっていると思いますよ。笑顔のなかに大人な表情も垣間見えて、青春時代の儚さを感じるというか……。個人的には、川のシーンが夏らしさと青春感があってグッときました。


小坂:ありがとうございます。実は私、今までちゃんと川に行ったことがなくて、今回が初めてだったんです。


――初めて!?


小坂:はい。あまりキャンプとかアウトドアとかをやってこなかったもので……。初めての川は撮影だということを忘れるくらい楽しかったです。我ながら青春してるなって(笑)。


――冒頭で「思い出のアルバムのようだ」と語られていましたが、まさに青春の思い出になったわけですね。


小坂:そうですね。自分のやりたかったことも実現できましたし、スタッフさんが提案してくださったこともノリノリで楽しめましたし、本当に1ページ1ページが思い出です。みなさんのおかげで貴重な一冊ができたと思うと感謝の気持ちでいっぱいです。


――そのようなこだわりの中で、タイトルを『君は誰?』にされたのは何故でしょうか?


小坂:いくつかいただいた候補のうち、私が写真集から感じた雰囲気や考えていたイメージと一番近いタイトルが『君は誰?』だったんです。親近感のある写真集もいいですが、『高木さん』のお話をした通り、私としては距離が近すぎない写真集にしたいなぁと思っていたので。それに、通常盤の表紙になっているお花を咥えたカットにこのタイトルを当てはめたとき、ピッタリだと感じたことも理由のひとつです。


――なるほど。では最後に、読者の方に特に注目して見てもらいたいポイントはありますか?


小坂:本作を一言で表すと「青春」です。10代ならではの青春をぜひみなさんにも感じてもえたら嬉しいです。あと『Seventeen』で「猫坂さん」というモテを追求する猫キャラをやらせていただいていることもあって、本作でも猫の格好をさせていただきました。ここでは甘えた表情が出ていて、普段とは違った私が見られるので、ぜひ注目してほしいです。


(文=とり/写真=鷲尾太郎)