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中小企業の夏のボーナス、「増額」が最も多いのは流通・小売業界 巣ごもり特需で業績好調

2021年06月26日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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そろそろ夏のボーナスシーズンだ。昨年は新型コロナウイルスの影響がボーナスに反映したという人も多かったが、今年はどんな傾向があるのか。

エン・ジャパン運営の人事向け情報サイト「人事のミカタ」は2021年の夏季賞与に関する結果を発表した。調査は今年6月に実施し、同サイトを利用する従業員数300人未満の企業280社の人事担当者から回答を得た。

コロナ禍の休業・時短営業で百貨店・コンビニなどが影響を受けるも……

2021年の夏季賞与を支給予定とした中小企業は80%。業種別にみると、「流通・小売関連」(93%)が最も多かった。次いで「メーカー」(91%)、「商社」「不動産・建設関連」(同89%)となった。

同社広報担当者はキャリコネニュースの取材に、「流通・小売関連は2020年の冬季賞与を支給しないと回答した企業が23%と多かったです。コロナ禍で一度抑えた分を、今季の夏で回復させたと考えられます」と解説する。

「また、コロナ禍による休業・時短営業で百貨店やショッピングモールや大手コンビニなどは大きな影響を受けましたが、日用品を販売するドラッグストアや、巣ごもり需要で食品スーパーなどの通販が活発化しました。業界内でも業績の良かった企業での支給が多かったようです」(同担当者)

「ワクチン接種が進み、収束が以前よりも見えてきたため長期化懸念が低下」

夏季賞与を支給する予定だと回答した企業に、前回支給額からの変動を聞いた。「増額予定」とした企業は28%で、業種別にみると、「サービス関連」(36%)が全体を大きく上回った。同担当者は「こちらも休業・時短営業により2020年冬季賞与で一度抑えた分を、夏で回復させたという面が大きいと見ています」と背景を語る。

社員への賞与支給に関する悩みや課題を聞いたところ1位は「社員への評価・賞与の査定基準への悩み」(40%)だった。2020年冬季賞与に関する調査では「新型コロナウイルスによる業績への影響の長期化」(44%)が1位だったが、今回は31%で13ポイント減となった。同担当者は、

「先行きが見えにくい2020年と比べ、ワクチン接種が進み、収束が以前よりも見えてきたことが長期化懸念が低下した要因かと思います」

とコメントしている。