言葉自体は定着しつつあるが、実際にブラック企業で苦しむ人は後を絶たない。保育園で事務の仕事をしていた30代女性は、「元勤務先がブラック企業だった」といい、公的な幼児教育の場で目の当たりにした由々しき実態を赤裸々に打ち明ける。女性は
「保育士の先生たちもプロですから、越えてはいけないラインを分かっていて、そこに抵触しない範囲でやっているんですよね」
と投げかけている。その言葉が指す真意は何か。今回はこの女性の投稿を中心に、ほかのブラック企業エピソードも紹介する。(文:鹿賀大資)
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「この園にだけは絶対に預けたくないと思いました」
「親と離れたくないというよりは、園に行きたくなくて泣きわめく園児。必死に抵抗しても力及ばす親に引っ張られて登園する園児。それ自体はどの園でも見る光景ですが、元職場は規模の割にそういう子が異様に多かったように思えます」
これが、女性の感じたその保育園に対する率直な印象だ。それ故に女性は「いずれ自分が母親になっても、この園にだけは絶対に預けたくないと思いました」という。そして日常の様子について
「まだ小さいから自分がされたことの意味も分かっていない園児たち。大人のように言葉で親に訴えることだってできません。虐待に片足を突っ込んでいる行為は日常茶飯事。躾や教育ではなくただの虐待では?と言いたくなるほどヒステリックに、そして八つ当たりをするかのように怒っていました」
と明かしており、目を疑う光景であったことが容易に読み取れる。まさに女性の言う通りで、保護者がこの実態を知ったら預けたいと思う人はまずいないだろう。女性は「もちろん先生同士の仲も最低最悪で」と続ける。
「コロナに感染したら即クビ」
「悪い意味で時代を先取りしたSNSイジメまで横行していました。それを横目で見ているだけでも、精神が削られているような気分でした。さっさと辞めようとした矢先、園長先生から『人手不足すぎて』と無資格で子育て経験すらない私に、担任として勤務するように言われました」
その際、園長から法律に抵触する業務内容を伝えられ、女性が戸惑っていると「1週間の休みをあげるから勉強しておくように」と幼児教育の専門書を渡されたという。しかし女性は「業務命令でも法に反することはやりたくなかったので」といい、帰宅後に教科書などを送り返し、そのまま退職したという。
ほかには、
「賞与の支給後に、社長にお礼として巨大な花束とゴルフウェアなどのプレゼントを渡す慣例があった。プレゼント代は後日集金のスタイル」(20代女性/クリエイティブ)
「社長の言ったこと以外、してはいけない会社だった。社長が気に入らないと、罵声のオンパレード。親が亡くなろうが、病気になろうが休ませてもらえない。コロナに感染したら即クビ」(50代男性/営業職)
といった声も寄せられていた。
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