主婦の友社は7月1日、書籍『猫にいいこと大全』(1,430円)を発売する。最新の動物行動学にもとづき、猫がのびのびと暮らせるための200項目をまとめている。
猫は、日々のちょっとした変化にも気づき、思わぬことにストレスを感じたり、好奇心をそそられたりもする動物だという。飼い主にも興味津々で、よく様子も見ているとのこと。同書では、そのような猫たちの生活の満足度を上げるため、飼い主ができる簡単なことをまとめている。
猫の生活の満足度を上げることはいろいろあるが、「猫に達成感を持たせて遊び終える」「食事場所は壁を背にしたほうがいい」「窓の外は見せなくてもいい」は、その代表的なものであるという。
猫は遊んでいるときに、「ドーパミン」という脳内ホルモンが出た状態になる。ドーパミンは何かを追い求める意欲やワクワクする気持ちを引き起こす物質で、野生では狩りの最中に分泌される。ドーパミンが出たままで遊びを終えてしまうと、もっと遊びたくなり、いたずらなどの問題行動につながりかねないとのこと。
それを防ぐには、遊びの最後には、獲物代わりとなっているおもちゃを捕まえさせてるのが大事だという。「つかまえた!」「やった!」という達成感で、幸福感に作用するホルモン「エンドルフィン」が出て、猫は満足して遊び終えることができるとのこと。
猫の食事場所は、多くの家庭では食器を壁の前に置いているが、それはすすめられない場所だという。食事中に無防備な背中を相手に見せる体勢になるので、実は猫はあまり好まないとのこと。壁を背にする位置か、なるべく部屋が見渡せる場所に、食器を置いてあげるといいという。
また、室内飼いの猫は外を見たいだろうと、飼い主の中には窓辺にスペースを空けたり、外が見やすい位置にキャットタワーを設置しする人も多いとのこと。しかし、猫によっては、外からの視覚の刺激がストレスになる場合もあるという。窓から見える野良猫になわばりに侵入された気分になって攻撃したいと思ったり、鳥を捕まえたいと思っても、手を出せないことに葛藤を感じてしまう猫もいるとのこと。
同書ではそのほかにも、猫のすこやかな心身を保つために、また愛される飼い主になるために実践したいことを、体、心、暮らし、コミュニケーションの4分野でまとめている。
監修は、ヤマザキ動物看護大学(動物臨床行動学研究室)准教授で獣医師、博士(獣医学)の茂木千恵氏と、ヤマザキ動物看護大学(動物臨床栄養教育学研究室)助教、認定動物看護師、修士(獣医保健看護学)、ペット栄養管理士の荒川真希氏。イラストレーター・深尾竜騎氏によるかわいい猫イラストも豊富に取り入れている。(フォルサ)