レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、レッドブル・レーシングがFIAに対し、メルセデスW12のフロントウイングの柔軟性がF1規則に従ったものであるかどうか調査を依頼したと認めた。
レッドブルRB16Bのリヤウイングが走行中に過度に変形するという指摘がなされた後、FIAはフランスGPから新たな検査を導入して監視を強化することを決めた。これに伴い、レッドブルを含むいくつかのチームはウイング変更を行うことを余儀なくされた。フランスGPでは全チームがこの検査に合格している。
メルセデスがレッドブルのリヤウイングに関して抗議を行う可能性を示していた際に、マルコはメルセデスのフロントウイングに疑問があると発言していた。そしてマルコは最近のコメントのなかで、メルセデスのフロントウイングが走行中に過度にたわんでいるのではないかという指摘をFIAに対して行ったと認めた。
「我々は、これをチェックすべきだとFIAに対して注意を喚起している」とマルコは『F1-Insider』に対して語った。
「これは完全に通常の手順だ。他のチームがレギュレーションへの解釈を行き過ぎた形で行い、グレーゾーンではなくレッドゾーンにまで至っているという意見があるなら、それについてはっきりさせる必要がある」
「我々はFIAの判断と彼らが取る措置を信頼する。明確化されれば、我々は満足する」
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、FIAがリヤウイングとフロントウイングの両方を厳しく検査するのは理にかなったことだと主張している。
「FIAがこの問題についての取り締まりを行うものと信頼している。もちろん片方のウイングを切り離して扱うことはできない」
「フロントとリヤの両方のウイングを見なければならない。リヤウイングに適用されるものはフロントにも適用されると考えるべきだろう」
ホーナーは、フランスGPでレッドブルが優勝したことで、RB16Bの強力なパフォーマンスはフレキシブルリヤウイングによるものではないと証明されたと語った。
「この数週間、多くのコメントがなされ、我々は非難を受けた」とホーナー。
「しかし、我々はルールを順守してきた。この件についての対応はチームの強さと深みを示している。また、我々のパフォーマンスがリヤウイングのたわみに基づいたものではないということが明らかにされた」
先月、メルセデスのフロントウイングについての指摘がなされた際に、チーム代表トト・ウォルフは、合法性に確信を持っているとして、W12とRB16Bのフロントウイングの曲がり方は同程度であると発言した。
第7戦終了時点で、レッドブル・ホンダとマックス・フェルスタッペンは、両選手権においてメルセデスとルイス・ハミルトンをリードしている。マルコは「メルセデスにプレッシャーをかければ、彼らはミスをする。今後もプレッシャーをかけ続けていく」とコメントしている。
レッドブルは、リヤウイングの変更に予算を使わなければならなかった。フロントウイングの検査の厳格化によってメルセデスが同様に予定外の支出を強いられることを期待しているとの見方もある。