きれい好きの人でも、何かの拍子に"汚部屋化"が止まらなくなる場合があるようだ。
神奈川県の40代女性は「昔はきちんと片付けできていて、『アポなし訪問しても、いつも片付いててつまんない!』と言われるほどだったんですよ」と語る。しかし、現在はその面影もなく、女性はすっかり"片付けられない人"になってしまった。
「診断は受けていないですがADHD気質なので、仕方がないと半分諦めています」
そう語る女性が汚部屋への一歩を踏み出したのは、夫と子どもが入信した某宗教がきっかけだった。(文:福岡ちはや)
「平屋の小さな借家からは物があふれていました」
夫と子どもが宗教を始めてからというもの、「まず本や雑誌、小冊子、パンフレットの類が増えたんです」と女性は嘆く。
「それから普段着以外に、宗教の集まりがある時や勧誘にでかける時の服やバッグも必要に。なんやかんや持ち物が増えてきたタイミングで下の子が産まれ、さらに物が増えました」
夫と子どもは、その宗教によほど傾倒していたのだろう。宗教関連の物に部屋は浸食されてゆき、「平屋の小さな借家からは物があふれました。夫も片付けできない・しない人だったので……」と女性は振り返る。
「その後、ゴミを捨てきれないままアパートに引っ越しました」
ゴミと一緒に引っ越した女性家族だが、新しく住み始めたアパートが散らかり始めるのは時間の問題だった。
「押し入れにゴミ、その前にもゴミ。もはやカオスです」
それから数年後、手つかずのゴミを放置したまま、女性は夫と離婚した。新しい住まいに移るも「またまたゴミと一緒に引っ越しました」。なぜ引っ越す前にゴミを捨てないのだろう。
さらに数年後、女性は元夫から生前整理を頼まれたが、同じく片付けが苦手な元夫は恐ろしいほど物をため込んでいた。
「物の多いこと多いこと。上の子どもは自立していたのですが、必要な物以外は置いたまま出て行ってしまって。実家の両親を巻き込んで、てんやわんやでした」
人海戦術で何とか片付いた元夫の家。しかしその際、女性は元夫の家にあった物を持ち帰ってしまい、今度は自分の家が散らかるはめになった。現在の自宅の惨状について、女性は、
「押し入れにゴミ、その前にもゴミ。普段から片付けられていない物もあふれ、もはやカオスです。キッチン兼玄関も通路を確保するのがやっと。食器棚の下の扉が物で塞がり開かなくなるので、片付けては散らかしての繰り返しです」
と打ち明ける。「自分のことながら嫌気が差します」と言うが、
「でも再婚8年の夫も、下の子どもも片付けしないんですよ。連帯責任じゃないでしょうか?」
と家族への不満も述べた。女性の自宅が片付く日は、永遠に来ないのかもしれない。
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