コロナ禍でテレワークになり、東京都内から引っ越しを検討する人が増えている。
すぐ隣の千葉は、選択肢にあがりやすい県。その中でもおすすめのエリアはどこなのか。住宅情報通の恋愛コンサルタント鈴木リュウさんに聞いた。
東京への利便性もよく、週末はグランピングなどが楽しめる「成田市」
テレワークを前提にした部屋探しで、大事なのは「息抜きが出来る部屋・周辺環境であること」という鈴木さんが、今回オススメするのは4つの街。重視したのは「部屋が広め」「田舎すぎない」「健康に暮らせる」という点だ。
まずは「成田市周辺」。
「成田市は2LDKで8万円台、買い物やアクティビティにも困らないので、都心へは行って週1という人におすすめです」
市街地にはスーパーなども揃っており、車で酒々井プレミアム・アウトレットにも行けるため、買い物には苦労しない。また、屋外レジャー施設が豊富なのもポイントだ。
隣接する香取市の「THE FARM CAMP」は、週末に足を伸ばしやすい。キャンプやBBQ、野菜収穫、温泉、グランピングなどが楽しめ、アウトドア初心者でも安心して宿泊できる。周辺にはゴルフ場も多く、ゴルフ好きには羨ましがられるだろう。
成田空港があるため、公共交通機関で都心に出やすいのも魅力だ。成田空港から東京駅までバスで1時間程度、片道1300円。また、成田エクスプレス(JR)やスカイライナー(京成線)なら、上野まで1時間もかからずに到着する。
鈴木さんは、「千葉市よりもさらに離れてしまうと、都内に通いにくいんですよね。でも成田市は例外で、都心へのアクセスの恩恵を受けられます」とコメントする。
週末移住者も増加中!? 家族連れ・趣味人に人気な「富津市」
都心へのアクセスを考えると、東京アクアラインが利用できる袖ヶ浦市や木更津市もおすすめだが、こちらは便利なだけに通勤需要が高く、家賃的なメリットは薄い。
そこで勧めるのが、富津市だ。君津市の南に隣接した内房エリアで、3LDKで5万円台も夢ではない。貸別荘やキャンプ場も多く、最近では週末移住や2拠点生活先として選ぶ家族連れや趣味人も増えているようだ。
「木更津駅から40分バスに乗れば東京まで行けるので、まずは週末お試し移住をしてみるのも手です。釣りや潮干狩りなどマリンアクティビティが好きな人には特にオススメです。汗を書いたら、東京湾を一望できる天然温泉海辺の湯で、日帰り入浴もできます。
さらに、地元の魚やあおさなどがかなり安く手に入りますので、家で作るようにすると食費も安くなりますね。カインズやイオンがあるので、買い物も苦労しません」
フリーランスに人気! 東京的趣味を諦めたくないなら「稲毛海岸駅」
「基本は家。だけど、急に呼ばれて都心に行くことも多い」という人に勧めたいのが京葉線「稲毛海岸駅」、千葉市美浜区にある駅付近だ。東京駅まで36分程度という好アクセスで、2駅東京側にはイオンモールや幕張メッセ、ZOZOマリンスタジアムなどのある海浜幕張駅がある。
「海浜幕張駅になると"幕張ブランド"で家賃が上がりますが、稲毛海岸は穴場です。都心に行かなくても海浜幕張まで行けば映画やライブ、野球観戦のほか、よしもと幕張イオンモール劇場もあるのでお笑いも楽しめます」
「文化的な"東京的趣味"を持つ人でも、趣味を楽しみながら都心より安く住めるのでおすすめです。実際、30~40代のフリーランスで住んでいる人が多い印象です。
近くの"幕張温泉湯楽の里"で、ひとっ風呂浴びた後に海を見ながら残りの仕事をすることも可能です。アパホテル&リゾート東京ベイ幕張でスパを楽しむのもいいですね。レストランも恵比寿の3分の2ほどの価格で美味しい料理が味わえますし、東京的消費が捨てきれない人はぜひ考えてみてはいかがでしょうか」
移住レベルの引っ越しなら「一宮町」
もうほとんど都内に行かない、"移住"レベルで考えている人は「一宮町」がアツいという。一宮町は九十九里浜の海沿いに面した町で、「景色でいえば富津より圧倒的に綺麗。運動する環境も、太陽光もよく、睡眠の質も確保できる」と激推しする。
同町は「サーファーと生きる町」を掲げており、年間60万人がサーフィンのために訪れる。毎日波に乗りたい人には垂涎の土地だろう。
「藤沢や湘南にあるようなオシャレなお店も多いです。おしゃれな町でスローライフをしたい人にうってつけですね。別荘もありますが5階以上のマンションも多く、部屋からオーシャンビューが望めます」
都心へ行くには「2時間は確保したほうが良い」というアクセスのため、家賃は格段に下がる。「一軒家も多いので友だちと借りてシェアするのもいいですね。完全に在宅ワーカーとなって都心にはめったに行かないエンジニアやデザイナーなどにおすすめです」とのこと。
最近は、別荘を買う人も増えているという。「湘南や葉山などはブランドもあり高いですが、一宮町だと半額くらいで買えますね」。気になった人は、海沿いドライブのついでに、一宮町に足を伸ばしてみるといいかもしれない。