2021年F1第6戦アゼルバイジャンGPで優勝したセルジオ・ペレスは、レッドブル・ホンダのリザーブドライバーを務めるアレクサンダー・アルボンの貢献について語り、彼のシミュレーター作業と自分への個人的サポートに感謝した。
2019年夏にトロロッソ(アルファタウリ)からレッドブルに昇格したアルボンだが、チーム首脳陣は2020年のパフォーマンスに満足せず、2021年シーズンに向けて、アルボンに代わりペレスを起用した。
しかしアルボンはリザーブドライバーとしてチームに残留、ミルトンキーンズのファクトリーでシミュレーターによる作業を頻繁に行っている。同時にアルボンはDTMドイツ・ツーリングカー選手権にパートタイム参戦し、アルファタウリがスポンサーとなるフェラーリ488 GT3 Evoで戦うことが決まっている。
第5戦モナコGPでマックス・フェルスタッペンが優勝した後、レッドブル・ホンダのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、アルボンが大きな貢献を果たしたことを明かした。初日木曜にフェルスタッペンはマシンに満足していなかったが、アルボンのシミュレーター作業をもとにセットアップ変更をした結果、土曜にパフォーマンスが向上したということだ。
アゼルバイジャンGPで移籍後初の優勝を飾ったペレスは、シミュレーター作業だけでなく、後任である自分が早く適応できるようオープンにさまざまな情報を提供してくれたとして、アルボンへの深い感謝の気持ちを示した。
「僕たちは素晴らしいチームだと思う」とペレスは語った。
「(アゼルバイジャンで)マックスは素晴らしい仕事をした。すべてを完璧にこなしており、優勝にふさわしい仕事をしていたんだ。(タイヤトラブルで勝利を失ったのは)ただただ不運だった。本来は勝利は彼のものだった」
「そしてアレックスも、エンジニアとともに多くのシミュレーター作業をしてくれた」
「このチームに入る時、彼が僕に対してこれほどオープンに接してくれるとは思っていなかった」
「彼は自分が抱えていたすべての問題を説明し、マシンの挙動について教えてくれた。初日から彼がそういう話をしてくれて、とてもうれしかった」
「そのことにとても感謝している。週末ごとにチームとシミュレーター作業に取り組んでくれることもありがたく思っている」
「これがチームワークだ。チームのメンバーひとりひとりのおかげで、この位置に立つことができているんだ」
バクーでペレスが優勝し、メルセデスが惨敗したことで、レッドブルはコンストラクターズ選手権首位を維持し、メルセデスとのギャップを26点に拡大した。しかしペレスは、最終戦アブダビまでは長い道のりがあり、この位置を維持するために、さらに努力をしていく必要があると語った。
「まだ6戦が終わった段階だ」とペレスは言う。
「今の順位は全く重要ではない。アブダビを終えた段階で何位かが大事なんだ」
「マシンのポテンシャルを最大限引き出しながら、少しずつ前進し続けて、最終的にトップに立つ必要がある」
「まだ先は長い。僕は長年F1にいるから、これから多くのことが起きる可能性があることは分かっている。懸命に取り組んでいく必要がある」
「起きたことはもう過去のことだ。前を見て進んでいかなければならない」