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コロナ禍でストレス増の仕事、1位は「販売・サービス」系 「いつ感染してもおかしくない状態が1年以上続いている」という声も

2021年06月12日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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新型コロナウイルスの影響で、働き方の変更を強いられた人は多い。都市部ではテレワークが普及したことで通勤のストレスから解放された人がいる一方で、ストレスが増えた人も多い。

エン・ジャパンは6月4日、「コロナ禍における仕事のストレス」に関する調査結果を発表した。調査は3~5月にネット上で実施し、同社運営の転職サイト「エン転職」を利用する1万740人から回答を得た。

「シフトに入れてもらうことができない」「出勤してもやることがない」


「コロナ禍で仕事のストレスが増えた」と答えた人は54%にのぼった。職種別にみると、1位は「販売・サービス系」(61%)で、次いで「専門サービス系」(56%)、「営業系」「技術系」(各55%)、「企画・事務・マーケティング・管理系」「公務員、団体職員、その他」(各51%)などと続いた。

新型コロナウイルスの影響を強く受けた職種が上位に集まり、仕事のストレス増加と相関関係があった。回答者からは、

「飲食店勤務だったので、お客様の来店が激減した。『シフトに入れてもらうことができない』『出勤してもやることがない』など、かなりストレスが増えた」(23歳女性、販売・サービス系)
「接客業のためマスクを着けていないお客様と話すことがあり、いつ感染してもおかしくない状態が1年以上続いている」(41歳男性、販売・サービス系)

と業務量の増減やクレームの増加、感染リスクへの不安といった各職種ならではのストレスを抱えていることが分かる。

一方で「ストレスが減った」と答えた人は「クリエイティブ系」(20%)、「エンジニア系」(14%)で特に多かった。回答者からは、

「通勤時間がなくなり、睡眠時間が多く確保できるようになった」(23歳男性、エンジニア系)
「口頭のやり取りが苦手なので、在宅勤務でメールでのやりとりが増えたことでストレスが減った」(27歳男性、専門職系)

と通勤や対人関係のストレスから解放された、という声が目立った。テレワークに移行したことが大きいようだ。

ストレスを感じる理由、1位は「職場の人間関係」

「現在、仕事上でストレスを強く感じる」と答えた人は43%。年代別にみると、最多は「30代」(46%)で、次いで「40代以上」(43%)、「20代」(40%)と続く。

仕事でのストレスを「強く感じる」「感じる」と回答した人にストレスを感じる点を聞いたところ、トップ3は「職場の人間関係」(53%)、「仕事にやりがい・達成感がない」(45%)、「将来のキャリアが描けない」(41%)だった。回答者からは、以下の声が寄せられた。

「周りの社員の噂話・悪口を言う人がたくさんいる」(29歳男性)
「新しい業務に携われる目処もなく、同じことの繰り返しの毎日。このままでいいのかと不安になる」(26歳女性)
「コロナの影響で仕事が減り、昇給の機会も減ってしまっている」(24歳男性)

「エン転職」の編集長・岡田康豊氏は、今回の調査を受けて

「20代が抱えている未来への漠然とした不安が表現された結果だと捉えています。20代は他の年代に比べて、キャリア迷子になりやすいです。自分自身に対する幻想に近い理想、SNSにあふれる理想的に働く人々。情報過多の中で、自分自身の現状と比較して『もっと良い場所があるのでは』と探してしまいます」

とコメント。その上で「20代はキャリアに関しては孤独なので、彼らの相談にのれるような組織的な支援は欠かせません」と続けた。

また、職種によってストレス増減度に差が出たことについては、

「コロナ禍でリモートワークに対応できる職種か否か、企業自体が取り組み積極的か否かが、仕事のストレスに影響を与えています。リモートワーク対応できるのに選択しない企業は、求職者や従業員からのロイヤルティが下がっています」

と説明している。