1999年のル・マン24時間レースを制したBMW V12 LMR 6月10日、BMW M GmbH代表取締役であるマルクス・フラッシュが投稿したInstagram(markusflasch)によって、BMWがトップレベルのプロトタイプレースに復帰することが確認された。ドイツのメーカーは2023年からスタートするLMDh規定のランクに参入し、グローバル・スポーツカーレース・プログラムを実行する予定だ。
BMW MのCEOであるフラッシュが、デイトナ24時間レースでのプログラム開始を示唆する「We are back! Daytona 2023」というメッセージを投稿してから一夜明けた11日までに、BMWからプログラムが及ぶ範囲や詳細についての公式発表はなされていない。
3月にSportscar365によって明らかにされたように、BMWはル・マン24時間レースの主催団体であるACOフランス西部自動車クラブと、ウェザーテック・スポーツカー選手権の運営組織であるIMSAが共同で作り上げた新プラットフォーム(=LMDh)の評価を行っていた。
フラッシュは先週末にドイツで行われたニュルブルクリンク24時間レースにおいて、ジャーナリストに既存のスポーツカーレース・プログラムの上にLMDhのための余地があると「強く信じている」と語った。
「これはを決めるのは私だけではない」と述べた同氏は、「だからこそ、私は何も約束できない」と続けた。
「しかし、私は現在のステータスを管理するだけに責任を負ったわけではない」
「我々は(GTレース以外の)他のフォーマットを検討しており、まもなく決定が下されるだろう。私は我々がどこから来たのか、ルーツがどこにあるかを知っている」
「私はGT3の上に余地があると強く信じているんだ」
BMWは北米のIMSAウェザーテックスポーツカー選手権のトップクラスにファクトリーエントリーすることでル・マン24時間レースに復帰し、さらにはWEC世界耐久選手権でのフルシーズンキャンペーンも視野に入れている。
ドイツメーカーは2000年のALMSアメリカン・ル・マン・シリーズにBMW V12 LMRを投入。同シリーズのトップクラスで、アウディやパノスらとチャンピオン争いを繰り広げた。その1年前にはヤニック・ダルマス/ピエルルイジ・マルティニ/ヨアヒム・ヴィンケルホック組のBMW V12 LMRがル・マン24時間レースで総合優勝を飾っている。
このとき以来のプロトタイプレース復帰となるBMWが参入するLMDhプラットフォームでは、すでにアキュラ、アウディ、ポルシェがプログラム参加をアナウンス済みだ。また、キャデラックもLMP2カーベースの新規定への参加発表が間近に迫っていると考えられている。
一方、LMDhとシリーズを跨いでの交互参戦が可能で、すでに今季のWECから導入されているACOのル・マン・ハイパー(LMH)には、今週末にポルトガルで8時間レースを戦うトヨタとスクーデリア・グリッケンハウス、2023年から参加予定のプジョーとフェラーリが名を連ねている。