モナコGPはF1において最も権威あるグランプリであり、インディアナポリス500、ル・マン24時間レースとともに、世界3大レースのひとつとされている。そのため、モナコは他のF1レースにはない、特別な待遇と特権を得ている。
すべてのコースは、現在のF1の商業権保有者であるリバティ・メディアにグランプリ開催権料を支払う。2500万ドル(約27億円)以上を支払うサーキットが多く、一部サーキットの料金は極めて高く、例えば『Daily Mail』の報道では、今年初開催のサウジアラビアGPは、7000万ドル(約76億円)以上を支払うという。
しかしながらモナコの開催権料は他の開催地に比べるとはるかに低い金額に定められている。『Daily Mail』が伝えるところによると、モナコはバーニー・エクレストンとの交渉で10年契約を締結したが、その契約は今年のレースをもって終了する。その契約では1年1000万ドル(約11億円)の料金だったが、2017年にF1の商業権を獲得したリバティ・メディアは、それを大幅に引き上げるつもりだという。
F1はまた、オーバーテイクをしやすくするために、モンテカルロのコースレイアウトを変えることも検討している。さらに、23戦のシーズンスケジュールをより円滑にするために、従来5月の終わりに行われてきたレース日程の枠を移すことも考えているということだ。
モナコ自動車クラブ(ACM)がこうしたことにどのような反応を示すのか、今のところは不明だ。だが、F1がモナコを必要としているのと同様に、モナコもまたF1を必要としている。今後の交渉でなんらかの妥協点を見つけていくものと考えられる。