『週刊少年ジャンプ』で連載中の人気漫画『呪術廻戦』の休載が6月10日、発表された。週刊少年ジャンプ編集部は「芥見先生の体調不良により、『呪術廻戦』は次号からしばらくの間、休載いたします」と公式サイトなどで報告。続けて、
「芥見先生は執筆の継続を望んでおりましたが、編集部との協議の結果、一定期間休んで体調の回復を図っていただい方が良いと判断しました」
とコメント。再開時期は今後の週刊少年ジャンプ誌上で伝える。
「(ネームを)始めるまでに二日半ば"横"みたいな状態が続いてしまい…」
休載について、芥見さんは「以前から編集部側からまとまった休載の打診はあったのですが、私自身が週刊連載のスピード感のない呪術廻戦に魅力を感じないこと、早く完結まで描いてしまいたいことなどを理由にこれまで回答を保留にしていました」と綴る。
しかし、「このままでは同じことの繰り返しになってしまう」と1か月程度の休載を決定した。休載理由は体調不良だが、「大病したわけではなく、メンタルは通常運転なのでご心配には及びません」とコメントしている。
現在、ジャンプ本誌では死滅回游編が描かれている。直筆コメントでは、区切りのいいタイミングではないため「ペーペーの作家が長期の章と章の間でもないタイミングで休むのはどうなのか大変なのは私だけではないという気持ちもあった」と明かした。
さらに、インタビューで「ネームはまぁ半日あれば余裕」と語っていたが、実は「その半日を始めるまでに二日半ば"横"みたいな状態が続いてしまい…」と告白。作者自身が「うごけん…」と言いながら横たわるイラストが添えられていた。
週刊連載という激務を、ギリギリの状態で続けていたのだろう。そこに、
「更にツーカー(?)だった整体師さんの異動。起きたらやってない飲食店。ついにやらかした下書き掲載。などが重なりごらんのあり様というわけでございます」
など、さまざまな要素が重なり、今回の事態に至ったようだ。
「下書き掲載」があったばかり。「我々ファンはいくらでも待てます」の声も
なお"下書き掲載"は、週刊少年ジャンプ26号(5月21日発売)で見開き2ページに渡って人物が下書き状態で掲載されたものだ。ネット上では心配の声が挙がり、今回の休載報告でも「むしろ休んでくれてありがとうです」「我々ファンはいくらでも待てます」という声が寄せられている。
週刊連載の人気マンガ家の働き方が「過酷だ」という話題は、しばしば注目を集めている。体調を崩して休載というケースも珍しくはない。
同じく週刊少年ジャンプで『ワールドトリガー』の連載をしていた葦原大介さんは、体調不良で2016年に長期休載を発表。2019年より月刊誌『ジャンプスクエア』に移籍した。
『うる星やつら』『犬夜叉』などで知られる人気漫画家・高橋留美子さんは作画期間の睡眠時間が2日で3時間であり、漫画家に向いている人の特徴として「身体が強い人」とコメントしている。週刊連載をこなすには、マンガの才能だけではなく、体力も必要になってくるのだ。
呪術廻戦は7月から「アニメ呪術廻戦展」が開催され、今冬には『劇場版 呪術廻戦 0』の公開が控えている。さらに加速する呪術廻戦ブームの中で、オーバーワークに追い打ちがかかっていたのかもしれない。休載間しっかりと休んでいただきたい限りだ。