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売れ残りの成猫、オオカミのボスになったうさぎ、犬のようなたぬき……癒し系アニマル漫画4選

2021年06月08日 12:21  リアルサウンド

リアルサウンド

癒し系アニマル漫画4選

 アニマルセラピーというものがある。動物たちと触れ合い、癒しを得ることを言う。しかし、昨今、動物園や公園などでの動物とのふれあいコーナーは減っているし、そもそも動物にストレスを与えるような触り方はしていけない。


関連:【画像】ドラマ化もされた『おじさまと猫』


 ならば、マンガで動物の愛らしさに触れてみてはどうだろうか。気軽に読むことができる、癒し系動物マンガをご紹介する。


■愛と絆のポジティブな物語『猫とおじさま』


 「ガンガンpixiv」、「月刊少年ガンガン」で連載中の『おじさまと猫』。作者、桜井海のTwitterで人気を呼び、連載に至った作品だ。


 ペットショップで売れ残ってしまった成猫。誰にも見向きもされず、日に日に値段が下がっていく猫を迎え入れたのはひとりのおじさま。ふくまると名付けられた猫はおじさまとの生活で幸せを知っていく。


 売れ残っていたことが原因で、頑なになっているふくまるが、おじさまの愛情によって次第に人といる幸せを知り、愛されることを受け入れていく様子が泣けてくる。猫と暮らすようになって、性格が丸くなっていくかわいらしいおじさまにも注目だ。


■かわいいは正義『うさぎは正義』


 ひょんなことがきっかけでうさぎが2匹のオオカミのボスになったお話である。言いたいことはわかる。オオカミは肉食動物で、うさぎは草食動物。捕食する側とされる側。でも、うさぎがボスなのだ。かわいいので。もふもふしているので。


 著者の井口病院がうさぎと暮らしていることもあり、うさぎのかわいさがたっぷりと詰め込まれている。更にはうさぎの豆知識も得ることができ、癒されるだけではなく一石二鳥だ。うさぎと暮らしている人、うさぎに興味がある人、もふもふの者が好きな人にはたまらない作品となるはず。


■ファンタジスタな犬(たぬき)との物語『雨と君と』


 雨の日に出会ったのは、段ボールに入れられた芸達者な犬(本当はたぬき)。文字を書くことができ、それでコミュニケーションを取ることができる。女性と犬(たぬき)との生活は静かで穏やか。2人の日常が淡々と描かれているだけなのだが、自然とにっこりしてしまうのは、犬(たぬき)がかわいいのと、作中に登場する人たちに悪意がないからかもしれない。犬(たぬき)はちゃんと動物病院で検査と予防注射も受けているので安心だ。


 ちなみに主人公は犬と信じて疑っていないが、周りの人たちはたぬきだと気がついている。それをなかなか言い出せない様子にも愛があって面白い。


■動物と生きることについて考える『銀の匙』


 2011年から2019年まで「週刊少年サンデー」で連載されていた『銀の匙』。北海道にある農業高校を舞台に、農業未経験の主人公の八軒が苦悩しつつも目標を見つけていく物語だ。アニメ化、実写映画化などもされた人気作品である。


 酪農科学科ということで動物も多く出てくる。ただ、愛でるというよりは、一緒に暮らし、動物と人間の関係について深く考えさせられることになる。八軒が馬術部に入り、馬たちと信頼関係を築いていく様子も興味深い。


 実際に触れることができなくても、絵から伝わってくる動物の温もりがある。その温もりが、きっと固まった心をほぐしてくれるはずだ。