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アップル、新OSでプライバシー保護を強固に 亡くなった際のデータ引き継ぎも

2021年06月08日 05:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
米Appleは6月7日(現地時間)、開発者向けカンファレンス「WWDC21」の基調講演で、iOS 15やiPadOS 15、macOS Montereyなどの新OSにおけるプライバシー保護の改良を発表した。メールやSafariを利用した際にIPアドレスや位置情報などのプライバシー情報を隠せるようにしたほか、Siriは音声認識処理をデバイス上で完結できるようにした。自身や家族が亡くなった際にiCloudのデータを引き継ぐ機能も追加した。iCloudは、メールアドレスを非公開にする機能などを追加した「iCloud+」に更新する。

プライバシーのおもな新機能や改良点は以下の通り。
○メールやSafari、IPアドレスなどの情報を隠せるように

メールアプリは、新たにメールプライバシー保護機能を追加。メールを開封した際、ユーザーのIPアドレスや位置情報、メールを開封したタイミングなどの情報をメールの送信者が参照できなくなる。Safariも、サイトの訪問時にユーザーのIPアドレスを隠せるようにした。
○アプリがどの機能にアクセスしたかを確認できる「プライバシーレポート」

過去7日間、どのアプリが位置情報や写真データ、カメラ、マイク、連絡先へアクセスしたかを確認できる「プライバシーレポート」の機能を追加する。

○Siriはインターネットに接続せず、デバイス上で処理できるように

SiriはiPhoneやiPad上で音声認識の処理ができるようになり、自身の音声がインターネットに流れる心配は一切なくなる。プライバシーがさらに強固に守られるようになるとともに、処理自体も迅速にこなせるように。

○iCloud、万が一の際の安心機能を強化

自身のiCloudのパスワードを忘れた際、アカウントを復旧するために家族に電話をかけて再ログインに必要なリカバリーコードを提供してもらえる機能を追加する。

新たに「デジタル遺産プログラム」も追加する。もし自分が亡くなった際、家族など信頼できる人を指定し、その人にiCloud内のデータを引き継げるようにする。家族や友人が亡くなった際、その人のiCloudデータにアクセスを申請する機能も追加する。

自身のメールアドレスの代わりにランダムなアドレスを生成し、自身のアドレスにメールを転送する機能を追加。生成したランダムなアドレスはいつでも削除でき、不要なメールを遮断できる。この機能は新たに「iCloud+」として提供する。料金は従来のiCloudから据え置く。(磯修)