新型コロナウイルスの感染拡大で人々の消費行動が大きく変化する中、企業の人気ランキングにも変化が起きている。
パーソルキャリアは6月7日、「doda転職人気企業ランキング2021」を発表した。調査は2月にネット上で実施し、22~59歳の正社員男女5003人から回答を得た。
世界的な自動車の販売不振が続く中、2020年のグループ販売台数世界一を達成し、いち早く復活の兆しを見せた「トヨタ自動車」が、前年に続き首位を守った。回答者からは「安定している」「コロナ禍でも業績がいい」など安心や安定を高く評価する声が多く寄せられた。
「あつ森」好調で12年ぶりに過去最高益を更新
2位以降は「グーグル」「ソニー」「楽天」とグローバル企業や、各業界を代表する日本の大手企業が数多くランクイン。いずれも順位こそ前年から変動がなかったが、「トヨタ自動車」「ソニー」などは前年から大きく投票ポイント数を上げていた。
5位以降は「アマゾンジャパン」(前年6位)、「パナソニック」(同8位)、「任天堂」(同15位)といずれも躍進が目立つ。特に任天堂は、巣ごもり需要からゲーム『あつまれ どうぶつの森』などの販売好調が続き、21年3月期連結決算では12年ぶりに過去最高益を更新していた。
このほか、トップ10には「Apple Japan」(同5位)、「ソフトバンク」(同10位)、「キーエンス」(同12位)などが名を連ねている。
IT・通信分野では前年圏外の6社が新たにランクイン
また、コロナ禍でテレワークやオンラインサービスが普及し、企業のIT化が加速。IT・通信分野からは221位「Sky」、223位「三菱総合研究所」、279位「ラクス」、285位「沖縄セルラー電話」、296位「日本総合研究所」、297位「パランティア・テクノロジーズ」が、前年圏外から新たにランクインした。
総合ランキング300社のうちIT・通信分野は19社で、うち6社が新参。大手のシステムインテグレーターだけでなく、クラウドサービスを提供する新興企業などもランクインしていることが特徴的と言える。
また、「新型コロナウイルスの感染拡大を機に、転職したい企業を選ぶ理由が変化した」と答えた人は31.1%もみられた。年代別でみると、20代が37.9%で最も多く、男女別では女性の方が多かった。特に20代女性では39.6%と、約4割が「変わった」と答えている。