日本航空(JAL)の東京/羽田とロンドン・パリを結ぶ路線が6月6日、就航60周年を迎えた。羽田空港では記念セレモニーが開かれ、就航当時の3代目制服を身につけた客室乗務員らが利用客を見送った。
東京/羽田~ロンドン・パリ線は、1960年にエールフランス航空と共同運営として営業を始めた北回りヨーロッパ線(東京/羽田~アンカレッジ~コペンハーゲン~ロンドン~パリ線)を、自社単独運航に移行する形で1961年6月6日に週2便で運航を開始。当時の機材は日本初のジェット旅客機として導入したダグラスDC-8型機だった。その後、シベリア上空通過ルートの使用が段階的に始まったことにより、1986年4月5日には東京/成田~パリ線、7日に東京/成田~ロンドン線の直行便が就航した。現在の東京/羽田~パリ線は2010年、ロンドン線は2014年に就航。2016年からはブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアー、イベリア航空との4社で欧州線の共同事業(JV)を開始している。6月現在、東京/羽田~パリ線はボーイング777-300ER型機で週5便、東京/羽田~ロンドン線はボーイング787-8型機または787-9型機で1日最大2便運航されている。
▲JAL路線事業本部副部長 国際提携担当 レゲット ロス執行役員
羽田空港では、午前10時40分発のパリ行きJL45便と、午前11時20分発のロンドン行きJL43便の出発に合わせて就航60周年セレモニーが開かれた。あいさつに立ったJAL路線事業本部副部長 国際提携担当のレゲット ロス執行役員は両都市について、「パリは芸術にあふれている街で、日本では花の都と呼ばれ愛されている。美しい街並みは、歩くだけで誰でも幸せになれる」、「ロンドンは歴史的な建物や博物館、美術館が溢れている街。また、若い人にとってはファッション、音楽、エンターテインメントのメッカになっている」と紹介。「以前のように向こうで素敵な時間を過ごせる日が一日でも早く来てほしい」とコロナ禍の早期収束を願った。
また、セレモニーには両便の機長も出席。21年前からパリへのフライトを担当しているというJL45便の服部潔彦機長は「(当時は)B747在来型機の副操縦士1年目だった。ホテルの近くにそびえ立つエッフェル塔の荘厳かつ美しい姿に非常に感動したことを今でもはっきりと覚えている」と振り返った。また、20代のときからロンドン線を担当しているというJL43便の辰巳毅機長は、「747ジャンボから始まり、747-400、777、現在の787と4機種でロンドン線をフライトしている。(イギリスでは)6月はテニスやゴルフの大きな大会も開かれ、日も長く安定したいい季節」とコメントした。
パリ行きJL45便は大会で日本を訪れていたブラインドサッカーのフランスチームなど43人、ロンドン行きJL45便は27人が利用。両便の出発の際には、1961年当時に使用されていた3代目制服を着用した客室乗務員などJALスタッフが、利用客に記念品を手渡して見送った。
▲JL45便 服部潔彦機長
▲JL43便 辰巳毅機長