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在宅勤務で仕事とプライベートの切り替えができない

2021年05月30日 17:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●今回のモヤモヤ「在宅勤務によって、就業時間後も仕事が延々終わらない」
連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者で、育休復帰・働き方改革のコンサルティングも手掛ける山下真実さんが、ワーママが抱えるモヤモヤに寄り添い、気持ちを整理していく企画です。

15回目の相談者は、記者として働くあいさん(34歳)。時短勤務をしていますが、新型コロナの流行により在宅勤務になったことで、就業時間以降も上司や同僚から仕事の連絡が来るようになり、モヤモヤしています。
○今回の相談者さんのモヤモヤはこちら

コロナ禍の在宅勤務で、子どもの有無にかかわらず、仕事とプライベートの切り替えがしづらくなったという方は多いのではないでしょうか。

このお悩みに対する、山下さんからのアドバイスは……?

●山下さんからのアドバイスは……?
○山下さんからのアドバイスは……?

自分だけでなく、上司や同僚にもメリットを示せる職場環境の改善案を考えてみて。伝えるときは、"要望"ではなく"提案"することを意識しましょう。

山下さん: 本来ならば、就業時間以降は仕事をしないというのが前提ですが、現状そういうわけにはいかない方が多いかもしれません。その場合、例えば「17~21時は難しいけれど、21時以降ではあれば、ご連絡に対応できます」など、相手にとっても受け入れやすい解決策を設定してみてはいかがでしょうか。

そして"要望"ではなく"提案"という形で「私はこういう働き方ができたらと考えていますが、どうお考えでしょうか?」と上司に伝えることができれば、意外とスムーズに事は運ぶような気がします。

あいさん: 確かに、"こういう働き方がしたいです"と伝えると、ワガママみたいで気が引けていたのですが、提案という形であれば、私も伝えやすいです。

山下さん: 提案するにあたっては、なるべく主観的ではない表現で、現状を説明することも大事です。

夫は残業が多く、両親も遠方で頼れる人はいない。18時に子どもの食事、19時にお風呂に入って20時半には寝かしつけをしなければならない……そんな風に、感情ではなく事実に基づき説明すれば、上司もあいさんの状況を理解することができます。

さらに「娘が寝た後の21時以降であれば集中して勉強や情報収集ができるので、今までよりも高いパフォーマンスを出せます」といったように、上司や同僚が、あいさんの希望に共感しやすくなる要素も加えられるといいですね。

●要望は代案とセットにして伝えよう
○要望は代案とセットにして伝えよう

山下さん: 特に子育てをしながら仕事をしていると、仕事上"出来ないこと"は多かれ少なかれ出てくると思います。そんなとき、「●●は出来ません」で終わってしまうと、上司もあいさんに仕事を任せづらくなってしまうかもしれません。「●●は出来ないけれど、こうすれば出来ます」といった具合に、自分にも相手にもメリットを示せる"代案"をセットで提示することを意識してみましょう。

あいさん: 正直、働き方については諦めていた部分があったのですが、自分にも相手にもメリットがあるように意識すれば、解決に向かっていきそうな気がします。仕事とは別に、この伝え方、子どもにも効きそうですね。

山下さん: そうですね、イヤイヤ期であったり、折り合いをつけるのが難しいタイプのお子さんには、まず「嫌だ」という気持ちに共感し、受け止めたうえで「代わりにこれならどう? こういうやり方であれば出来るかな?」などと代案を示すと、うまくいくかもしれません。

子育てって本当に大変で、人間力が鍛えられますよね。周囲の昇進に、時短勤務で焦る気持ちがあるのは当然ですが、子育ての経験はきっと仕事にも生きてきます。子どもとのコミュニケーションを通して、取材先の本音を引き出す技術も磨かれるかもしれませんよ。自分の軸を大事に、ぜひ交渉上手になってくださいね。

○山下真実

株式会社ここるく 代表取締役・社会起業家・2児の母。
米国留学によるMBA取得、米系投資銀行・金融コンサルを経て、ママになったことをきっかけに子育て支援という全くの新領域へ。人気レストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年にスタート。サービスを通じて集まる働くママのインサイトと、MBA・コンサルで得た専門知識の両面から、ママ向けサービス開発や育休復帰・働き方改革コンサルティングなども手掛ける。『第14回女性起業家大賞』、三菱UFJ銀行主催『Rise Up Festa』最優秀賞受賞。

○比恵島由理子

イラストレーター、2児の母。早稲田大学を卒業後、一般企業に就職するもデザインの道を志し、東京デザイン専門学校で学ぶ。編集制作プロダクションで実用書を中心とした書籍編集・イラスト制作を経験した後に独立。現在はWebメディア向けに活動中。自身の出産体験や子育てについてnoteに掲載している。