2021年05月26日 12:01 弁護士ドットコム
朝日新聞は5月26日付朝刊に「夏の東京五輪 中止の決断を首相に求める」とする社説を掲載した。スポンサー契約を結ぶ新聞社のうち、「中止」を明言した社ははじめて。
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選手や大会関係者らのことを考えれば「中止はむろん避けたい」としつつ、「誰もが安全・安心を確信できる状況にはほど遠い」として、中止の決断を求めている。
いっぽうで同社は同日、ウェブサイトに「東京2020オフィシャルパートナーとして」とする文書を掲示。オフィシャルパートナーとしての活動は続けると明言した。
今回の社説を意識したものとみられ、「オフィシャルパートナーとしての活動と言論機関としての報道は一線を画します」「社説などの言論は常に是々非々の立場を貫いています」などとしている。
東京五輪・パラリンピックの開催をめぐっては、スポンサーに名を連ねる大手メディアが、大会中止について明言しないことが批判されてきた。
週刊ポストは5月22日配信の記事(雑誌は5月24日発売号)で、スポンサーになっている新聞6社に大会開催への賛否を尋ねているが、明確に反対した社はゼロ。朝日新聞も「お答えをいたしかねます」と回答し、ネットで批判を浴びていた。
ほかの新聞社では、信濃毎日新聞(5月23日付)、西日本新聞(5月25日付)なども五輪中止に言及する社説を掲載した。
【5月26日16:35追記】
弁護士ドットコムニュースは朝日新聞に対し、▼なぜ週刊ポストの取材に対し、反対を明言せず、今日このタイミングでの社説になったのか、▼社説は編集局のみならず、社の総意と考えて良いか、▼五輪に絡めた販促キャンペーンなどを今後どうするか、▼五輪が開催された場合、競技の報道はするのかーーなどを尋ねた。
朝日新聞からは、まとめて回答するとして、以下の返答があった。
「オフィシャルパートナーとしての見解は朝日新聞社のコーポレートサイト (https://www.asahi.com/corporate/info/14357747)に掲載いたしました。
そちらにもありますように、オフィシャルパートナーとしての活動と言論機関としての報道は一線を画しています。
社説などの言論は常に是々非々の立場を貫いています。
一方、オフィシャルパートナーとしての活動は、感染状況などを注視し、続けてまいります。
組織委員会には1名が出向しています。 五輪に関わる事象については引き続き、時々刻々、公正な視点で報じていきます」
これに対し、五輪が開催された場合、オフィシャルパートナーとしての活動は続けるのかを再度尋ねたところ、
「追加のご質問をいただきましたが、先ほどお送りした回答限りとさせていただきます」
との返事があった。