2021年05月25日 12:01 リアルサウンド
高校デビューしたらクラスのアイドルが同じ中学のヤンキーだった……!? そんな悲惨な境遇の男子高校生とヤンキーヒロインの学園生活を描く『ハローニューマイライフ』が面白い。作者の村上乃司さん(@d__mrkm)は、過去に「イブニング新人賞-the challenge-」で準大賞の受賞経験もあるアマチュア漫画家で、現在は育児をしながら趣味で創作を続けているという。今回「リアルサウンド ブック」では、村上さんに、『ハローニューマイライフ』創作の背景や裏話、今後のストーリーなどについて話を聞いた。(編集部)
ーー「過去を知られたくない二人が協力して高校デビュー」という設定、主人公の高良くんとヒロインの日咲さんの掛け合いがコミカルで、二人のキャラクター性が魅力的でした。今回、学園漫画を描こうと思ったきっかけを教えてください。
村上乃司(以下、村上):これまで1話完結型のショート漫画を描くことが多かったのですが、今まで描くことがあまりなかったメジャーなお題に挑戦してみたかったというのが大きいです。
私自身は学生生活にあまりいい思い出がないので(笑)、「こんな学生生活送りたかったな・送りたくなかったな」という両極端な、かつ『高校生あるある』を等身大目線で描けたらなと思い今回挑戦してみました。
ーーそうだったんですね(笑)。描くにあたってキャラクター設計などモデルにした人などはいますか?
村上:あまりモデルはいないのですが、高良に関しては性格をかなり私に寄せています。というのも、そもそも『誰も知らないところで高校生活を始めたかったのに同中の人が同じ高校にいた』というのはそっくり私の実体験です(笑)。
実は日咲に関しては『学生時代私が苦手だったタイプ』がモデルなんです(笑)。そんな苦手なタイプも掘り下げてみたら面白いキャラクター性が見えてくるのではないかと思い、ヒロインとして描いてみました。
ーー今回の作品でこだわったポイント、また苦労したポイントをお聞かせください。
村上:こだわりは高良の「きゅむ顔」でしょうか。高良に限らず、キャラクターの表情をきちんと丁寧に描くことをこだわっていきたいと思います。高良も日咲も素の時は割と表情豊かなタイプなので描いてて楽しいです。
苦労したポイントですが、原稿を描くのが約2年ぶりということもあり以前の勘を取り戻すのが大変でした。また私自身育児中ということもあり、以前に比べ創作に時間をかけることができなくなってしまったため「描くよりは早い」という理由で教室の背景を3Dで自作したりもしました。他にも有料素材を使うなどして、「いかに時短して漫画を完成させるか」を意識しましたね。
『ハローニューマイライフ』は元々は某漫画アプリの連載会議に出した作品だったんです。結果は散々だったんですが、「商業誌で求められることができないなら好き勝手描けばいいじゃないか。好き勝手描くぞ!」という意気込みでやっています(笑)。
ーー現在第2話をご執筆中とのことですが、今後のストーリーの展望を教えてください!
村上:テーマが「高校デビュー」なので、高良や日咲はもちろんクラスメイトの過去と今に焦点を当てたエピソードも描いていきたいと思います。そこにどう高良や日咲が絡んでいくのか、真の意味で高校デビューを成功させることができるのか……思春期の葛藤や成長をなるべく丁寧に描いていきたいなと思っています!