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ファストリがセルフレジ巡る特許訴訟で敗訴 「主張が認められず残念」

2021年05月24日 19:32  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

アスタリスク公式サイトより
「ユニクロ(UNIQLO)」や「ジーユー(GU)」が導入しているセルフレジを巡り、大阪のIT関連企業アスタリスクが発明しNIPが保有する複数の特許に対してファーストリテイリングが請求した無効審判で、知財高裁はファーストリテイリングの請求を棄却した。

 アスタリスクは、RFID読取装置で商品のICタグを読み取り、買い物かごをレジのくぼみに置くだけで決済できる仕組みの特許を2019年1月に取得。同年2月からユニクロが同様の仕組みのレジを店頭に導入していることを受け、特許の使用に対するライセンス契約を要求したが、締結には至らなかった。アスタリスクは交渉による解決は困難と判断し、ファーストリテイリングを相手取り同年9月24日付で特許権侵害行為差し止めの仮処分を求めて東京地方裁判所に申し立てた。仮処分の申し立てに対してファーストリテイリングは、特許そのものが無効であるとして特許庁に無効審判を請求。新型コロナウイルスの影響で裁判所や特許庁が業務を縮小し、審理が一時停止となっている中、2020年3月頃にジーユーの店舗でも同様の仕組みのレジが導入されていることが発覚したことで2020年6月16日付で特許権侵害行為差し止め仮処分命令を大阪地方裁判所に申し立てた。
 無効審判では、2020年8月6日に特許庁が一部の特許を無効と判断していたが、知財高裁は一転して有効と判断。特許庁の審決のうち、特許を無効とした部分を取り消すとし、ファーストリテイリングの請求を棄却した。ファーストリテイリングの広報は「弊社の主張が認められず、大変残念に思います。まずは、判決内容を精査いたします」とコメントしている。