野左根航汰(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)/2021SBK第1戦アラゴン 5月21~23日、2021年のスーパーバイク世界選手権(SBK)第1戦アラゴンがスペインのモーターランド・アラゴンで開催され、野左根航汰(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)は3レースともに完走を果たしポイントを獲得した。
野左根はこれまで全日本ロードレース選手権に参戦していたライダーで、2013年にJ-GP2クラスでチャンピオンを獲得し、2014年からJSB1000にステップアップ。2015年からヤマハYZF-R1を駆り、2017年にはYAMAHA FACTORY RACING TEAMに加入し、ファクトリーライダーとなった。YAMAHA FACTORY RACING TEAMではランキング5位、4位、3位と成績を上げていき2020年はチャンピオンに輝いた。
そんな野左根は全日本ロードJSB1000王者として、今季からGRT Yamaha WorldSBK Teamに加入してSBKに唯一の日本人ライダーとして参戦。これまでと同様にヤマハYZF-R1を駆るが、マシンはSBK仕様と異なり、タイヤは全日本ロードではブリヂストンタイヤを使用していたが、SBKではワンメイクとなっているピレリタイヤを履く。
金曜日、初となるSBKのレースウイークの走行では、FP1で1分51秒376を記録して14番手、FP2では1分52秒238で15番手となった。
事前テストでもアラゴンで走行した野左根は「テストで何周も走ったにもかかわらず、初日はとても緊張していたので、正しいリズムをつかむのが少し難しかったです。午前中はなんとか良いラップを刻むことができたので、FP2ではさらに改善できると思っていましたが、残念ながらコースのコンディションと気温のせいでできませんでした」と語った。
「それでも、今日は多くのことを学ぶことができたので、とてもポジティブです。スーパーポールと土曜日、日曜日のレースでは、できる限りのことをしたいと思います」
翌日のスーパーポールでは、野左根はソフトタイヤでファステストタイムを大幅に更新。1分50秒435をマークして16番手グリッドを獲得した。
レース1では好スタートを切り、オープニングラップで11番手に浮上したが、その後は思うようにペースが上がらず、14位でチェッカーを受けた。ただ、SBK初レースで完走し、貴重なポイントを獲得している。
「スーパーポールで自己ベストを更新することができました。目標の1分49秒台は達成できませんでしたが、ライディング自体にはとても満足しています」と野左根。
「決勝は好スタートを切り11番手まで上がりました。その後ペースをキープすることができず悔しい思いをすることになってしまいましたが、そのなかでも最後まで走り切れたことには満足しています。今後の課題がたくさん見つかりましたし、一戦で3回のレースがあるのは僕にとってありがたいことです。今日、学んだことを、明日に生かせるよう頑張ります」
日曜日に行われた10ラップの超スプリントとなるスーパーポール・レースでは、小雨が降り路面が濡れた状態となったが、天候変化により難しいコンディションに変わった。
9位までポイントが与えられるこのレースで、野左根はインターミディエイトタイヤを使用し、16番手スタートから9位まで追い上げポイントを獲得。9番手スタートのレース2でも難しいコンディションのなかで見事完走を果たし12位となり、3レースともにポイント圏内でフィニッシュした。
野左根は「今日はコンディションが違っていたので、タイヤ・チョイスが難しくなりました。路面の状況も変化していたため、レース序盤は慎重になりすぎてポジションを下げてしまいました。厳しい状況のなかで最後まで走り切り、多くのことを学ぶことができましたし、これから改善すべきさまざまな要素を確認することができました」と振り返った。
「次のエストリルは初めて走るコースなので難しいチャレンジになると思いますが、チームのために最大限の準備をして臨みます。チームのみなさんが私を助けてくれているので、その恩返しがしたいです」
野左根は開幕戦アラゴンで計7ポイントを稼ぎ、ランキング15位となっている。次戦は翌週の5月28~30日にポルトガルで第2戦エストリルが行われる。