2021年F1モナコGP決勝で、フェラーリのシャルル・ルクレールはトラブルでスタートできずリタイア、カルロス・サインツは4番グリッドから2位表彰台を獲得した。
ルクレールは予選でトップタイムを出したものの、Q3最後にクラッシュを喫したため、チームはマシンのダメージを検査。フェラーリは、土曜と日曜決勝前の2回にわたり、ギヤボックスには明らかな問題が見当たらなかったとして、ギヤボックス交換をせず、グリッド降格されることなく、ポールポジションから決勝をスタートすると発表した。
しかし、決勝スタート直前、グリッドへの最初のラップで、数コーナー走った時に、ルクレールのマシンに問題があることが明らかになった。ルクレールは無線で「ノー、ノー、ギヤボックス」と報告していたが、フェラーリによると、左ドライブシャフトに問題が見つかったということだ。修理は間に合わないため、ルクレールはスタートせずに母国レースをリタイアすることになった。
ルクレールはチームのホスピタリティでレースを見守り、レース後、表彰台を獲得したサインツのもとに駆けつけて祝福した。
ルクレール車のトラブルが明らかになると、フェラーリはポールポジションを失いたくなくて、ギヤボックスを交換しないというギャンブルをしたのではないかという推測が広がった。しかし、チーム代表マッティア・ビノットは、ギヤボックスのトラブルではなく、予選でのクラッシュとの関係もないかもしれないと述べた。
「何が起きたかはこれから調査するが、左側のハブのドライブシャフトのトラブルなので、ギヤボックストラブルではない。ギヤボックスは土曜夜に検査し、再検査も行い、レースで使える状態だったと私は考えている」
「トラブルが起きたパーツは衝突したのとは反対側だ。つまりアクシデントとは完全に無関係かもしれない」
「そのエリアについては(クラッシュ後に)チェックしなかった。その部分はダメージを負っていなかったからだ」
「ギヤボックスを交換しないというギャンブルをしたのではない。ギヤボックスは決勝で使っても問題なかったと確信している」
「何が起きたのか、今の段階では説明できない。分析する必要がある」
■スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ
シャルル・ルクレール 決勝=リタイア
辛い一日だった。チーム全員にとって辛いことだったので残念だ。
予選のアクシデントの後、メカニックの皆が僕を決勝で走らせるために必死に作業をしてくれた。ついにモナコで優勝争いできるんだと、本当に楽しみにしていたんだ。でも残念ながらそうはならなかった。
スタートできないという事実を受け入れるのは簡単ではなかった。特に僕にとってはホームグランプリだからね。マシンに何か問題があると分かった時、走りながら感情的になってしまった。原因についてはこれから詳しく調査していく。
こんなことになったが、全体としてみれば、いい週末だった。カルロスは強力で一貫性もあり、スクーデリア・フェラーリでの初表彰台を獲得することができた。彼にもチームにもおめでとうと言いたい。
2020年は厳しい一年だっただけに、この結果によって、サーキットに来ているスタッフとマラネロのファクトリーで務めるスタッフ全員のハードワークが報われる形になった。チームはこの結果に値する仕事をしてきたからね。
■サインツ「近いうちに表彰台最上段へ!」
■スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ
カルロス・サインツ 決勝=2位
フェラーリでの初表彰台をモナコで獲得できて最高の気分だ。この気持ちを忘れることはないだろう。今週末、僕たちにチャンスがあること、表彰台をつかめるペースがあることは分かっていた。そしてミスなく、完璧なレースを実行することができたんだ。
シャルルとチームのことを考えると、複雑な部分もある。サーキットに来ているスタッフもマラネロのスタッフも、チームの競争力を上げて、トップに戻ることを目標に、必死に働いている。今日、2台で戦えなかったのはとても不運だった。
僕自身の話をすると、2位を獲得できてハッピーだ。グリッドを考えると、これが最大限の結果だと思うからね。あとひとつ上を皆が目指しつつもまだ届かずにいるが、今の調子で努力し続ければ、いずれは最上段に立つことができるはずだ。フォルツァ・フェラーリ!