2021年05月19日 18:51 弁護士ドットコム
JASRAC(日本音楽著作権協会)は5月19日、都内で記者会見を開いて、2020年度の著作権使用料の徴収・分配額を発表した。
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徴収額は、過去最高だった前年度から約50億円減少し、約1126億円だった。分配額は、約1206億円となり、2年連続で過去最高を更新した。
徴収については、新型コロナウイルスの感染拡大にともなうイベント開催中止が影響した。一方で、インタラクティブ配信(音楽のサブスクリプション、動画ストリーム、動画ダウンロード)が激増し、前年度比148.2%・105億円増の322億円となった。
この日の会見で、いではく会長は「この1年ちょっと、音楽・文化活動が中止に追い込まれた厳しい状況がつづいている。多少タイムラグがあるので、JASRACの分配額は昨年度よりも伸びたが、今後を考えると、厳しい状態がつづくことが想定される」と話した。
浅石道夫理事長は「今年度が、新型コロナウイルス感染症との勝負の年になるが、この1年間で、JASRACはコロナとの戦い方を学んできた。その経験と実績を活かすことができれば、今年度を乗り切ることが可能だと考えている」と述べた。
JASRACは著作権使用料の許諾・徴収・分配業務をおこなっており、そこから手数料をとっている。運営経費は、2020年度128億円で、分配額に占める割合は10.7%で、過去10年で最も低くなった。
浅石理事長は「JASRACのミッションは、運営経費のスリム化をはかるとともに、分配額の最大化を目指すものであり、コロナ禍の決算において、その使命ではたすことができた」と説明した。
コスト削減には、コロナの影響があるという。浅石理事長は「とくにコンサート、社交飲食業界に対して、職員がそれぞれ出向くことが、やろうとしてもできなかった。その部分が大きかったのは事実だ」と話した。