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ゆたぼんがYouTubeでパパへの投票を呼びかけたら公選法違反? 父親が衆院選の出馬表明

2021年05月19日 12:01  弁護士ドットコム

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ユーチューバー「ゆたぼん」として活動する中村逞珂(ゆたか)さん(12歳)の父で、心理カウンセラーの中村幸也さんが次期衆院選への出馬を表明した。


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ゆたぼんさんは、小学生だった2017年から学校に通わず、ユーチューブで自由な生き方を発信。中学生となった現在も、ホームスクーリングで学びながら、学校には通ってないという。



そこで気になるのが、ゆたぼんさんの「選挙運動」だ。チャンネル登録者数14万4000人のユーチューバーであるゆたぼんさんが選挙期間中、ユーチューブで「ゆたぼんパパ」の投票を呼びかけることはできるのだろうか。総務省に聞いてみた。



●未成年者の選挙運動は禁止、違反すれば禁固刑や罰金も

まず、「選挙運動」とはなにか。「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされている(総務省「なるほど!選挙」より)。



つまり、中村さんが出馬した場合、選挙期間中にユーチューブで中村さんへの投票を呼びかけるなどの行為は、選挙運動にあたる。では、まだ12歳のゆたぼんさんの場合は?



総務省の担当者は、「未成年者の選挙運動については、公職選挙法で『年齢満十八年未満の者は、選挙運動をすることができない。』(137条の2)と規定され、禁止されています」と説明する。



担当者は「個別の案件には答えられない」としながらも、「未成年者がユーチューブやSNSなどで、特定の候補者への投票を呼びかける行為は、選挙運動にあたる可能性があります」と指摘する。



もしこれに違反すれば、未成年者であっても、「1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する」(公職選挙法第239条第1項第1号)とされ、また、選挙権及び被選挙権も停止される(公職選挙法第252条第1項・第2項)。



ただし、ゆたぼんさんは12歳で、刑事責任を問われない14歳未満であるため(刑法41条)、刑罰を科されることはない。



●パパの選挙ポスターにゆたぼんは出られる?

しかし、未成年者の選挙運動を禁じた公職選挙法137条の2には、こうも書かれている。



「ただし、選挙運動のための労務に使用する場合は、この限りでない。」



この「労務」とはどういう行為なのだろうか。仕事として、ユーチューブで投票を訴えることは可能になるのではないか。



「労務の一般的な解釈としては、選挙事務所での文書の発送や、湯茶の提供など、単純で機械的な作業とされています。こうした作業であれば、労務に該当します」



しかし、たとえば「候補者の名前を原稿で読み上げる」などの行為は「労務」ではなく、「選挙運動」としてみなされ、やはり未成年者には禁止されているという(総務省の担当者)。



では、例えば、ゆたぼんさんが中村さんの選挙ポスターに登場することは「選挙運動」にあたるのか。これについて、担当者は「選挙運動にあたるかは、実態をみて、最終的には司法の判断になります」と説明する。ゆたぼんさんが中村さんの選挙運動に携わることは、厳しいようだ。



(5月19日18時25分、ゆたぼんさんが刑事未成年であることについて追記しました。)