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映画「るろ剣」佐藤健らが「夢の中にいたのかも」と“あまりにも美しい”撮影を回想

2021年05月18日 15:27  コミックナタリー

コミックナタリー

左から大友啓史監督、有村架純、佐藤健、江口洋介。
和月伸宏原作による実写映画「るろうに剣心」シリーズの10周年を記念した「『るろうに剣心 最終章 The Beginning』10thアニバーサリーイベント」が、去る5月17日に東京・esports銀座studioで開催された。

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イベントはYouTubeをはじめとした各プラットフォームで配信が行われており、緋村剣心役の佐藤健、雪代巴役の有村架純、斎藤一役の江口洋介、大友啓史監督が出演。現在公開中の「るろうに剣心 最終章 The Final」の興行収入が26億円を超えていることについて佐藤は、「こういった状況下ですけど、特に地方の方々が支えてくださっているなと感謝ですね。ただ僕の友人も含め、映画館が休業していて作品を観られない方々も多い。僕はある意味では本当の公開日は緊急事態宣言が明けてからだと考えています。第2の、“真の初日”に何かできたら」と感謝とともに、抱負を口にする。大友監督もこれに同意し、「俺も乗った! 観てもらえるようになんでもしますよ」と宣言した。

「The Beginning」を撮影するにあたり、佐藤は大友監督と「最初から気持ちを共有できていた気がしている」と振り返り「今までのシリーズとは全然違った作品性になるだろうと話していました。わかりやすく言うと、ちゃんと時代劇をやろうという共通認識でした」と説明。「The Beginning」で初めて「るろうに剣心」シリーズに参加した有村は「撮影は健さんとほとんど一緒だったんですが、1つひとつのシーンを丁寧に紡ぐことができたと思っています。撮影期間は1カ月から1カ月半ほどで長かったと思う一方で、あっという間にも感じたんです。とても不思議な夢の中のような感覚でした」と回想する。佐藤も「僕もそうだったんです。我々は同じ夢の中にいたのかもしれませんね」と有村を見つめると、報道陣がカメラを構え一斉に撮影を行う。佐藤は「こういうこと言うと、突然みんなが写真を撮りだすんですよね。いらんこと言わなければよかった(笑)」と後悔しながらも、「地に足を着けて作ったはずなのに、この世界が現実なのか幻想なのかわからない。あまりにも美しいんです。登場人物全員が亡霊のような、不思議な世界観で最初から最後まで映画が続いていました」と「夢の中にいた」という発言の真意を解説した。

ここでONE OK ROCKの主題歌も解禁となる「The Beginning」の予告編が公開され、これまでシリーズすべての主題歌を担当してきたONE OK ROCKのTakaからメッセージを司会者が読み上げた。Takaはシリーズの中で「The Beginning」が一番好きであると告白し、「緋村剣心は健にしかできなかったって、『The Beginning』を観るたびに思うんです。だから僕らはそこに寄り添って、彼の心情を掬ってあげるような気持ちで、最後に曲を届けられればいいなっていうのをイメージして、今回の楽曲を作りました」とコメント。これを受け佐藤は、「今回の主題歌も本当にいい曲ですよね。僕も『The Beginning』の主題歌が一番好きかもしれないです。今回の映画では侍の生き方、幕末に生きる人間の切実さみたいなものが描かれているんですが、Takaも侍なので共感してくれたのかなと思っています」と述べた。

佐藤と同じくシリーズ全作に出演してきた江口は、「The Final」「The Beginning」のクランクイン前と撮影期間中を「2本撮るということで、佐藤くんと『また長い旅が始まるね』という話をしたのを覚えてます。『るろうに剣心』の現場は戦場のようなので、別作品の撮影も挟みながら長期間、緊張感をずっとキープしないといけないのは大変でしたね」と振り返る。シリーズ開始時から「The Final」「The Beginning」の構想があったのかと問われた大友監督は「それぞれの作品が勝負なので、まずは1作目を届く作品にすること。そしてできれば志々雄と剣心までは描きたいなと当初は欲張っていました。それが終わったあとに健くんと『The Beginning』はやらなきゃいけないねと話したのは覚えています」と明かし、「先ほど健くんと有村さんが撮影中に『ふわふわしていた』という話をしていましたが、『The Beginning』は技術というよりも心で向き合わなきゃいけない領域がほかの4本に比べて多いんです」と語った。

最後に佐藤は「『The Beginning』をやらずに『るろうに剣心』シリーズを描いたとは言えないと思っていました。剣心の十字傷がどのようについたのか、そしてなぜ消えないのか。十字傷には深い悲しみや感情が刻み込まれていて、そういう気持ちが消えない限り十字傷は消えない。つまり頬に十字傷がある限り、剣心は悲しいんです。過去作ではその精神を大事にしながら剣心を演じてきました」と剣心への思いを熱弁。さらに「ただ今まではマンガやアニメのキャラクターを演じているような感覚だったのですが、『The Beginning』では『本当にこんな人が幕末に生きていたんじゃないか』というくらい、自分の中に剣心が降りてきて。役と自分がここまで一体化できたことは初めての経験だと思えるくらい、特別な作品になりました。きっと皆さんの期待に応えられるような作品になっていますし、僕たちにとても大切な作品です。早く届いたらいいなと思います」とアピールした。「るろうに剣心 最終章 The Beginning」は6月4日に公開される。

(c) 和月伸宏/ 集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会