2021年05月13日 18:21 弁護士ドットコム
内閣官房参与の高橋洋一氏(嘉悦大教授)は5月12日、自身のYouTubeチャンネルなどで、「私に対する国費はない」と述べ、コメンテーターの玉川徹氏に反論している。
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玉川氏が5月11日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で、高橋氏について「国税を使ってわざわざ任命」などと発言したことに対するもの。
高橋氏は、日本の新型コロナ感染状況を他国と比較して「さざ波」と表現したうえで、「これで五輪中止とかいうと笑笑」と述べた5月9日のツイートが批判的に報じられている。玉川氏のコメントは、同番組でこの問題を扱ったときに、高橋氏を批判する文脈で発せられた。
これに対し、高橋氏はYouTubeチャンネルやツイッターなどで、「調べてから言うべき。私に対する国費はないのだが」「全ての経費について私は頂いておりません」などと反論。それでも疑うのなら、「資料請求(情報公開請求)」をしたら良いとまで述べている。
内閣官房参与は、非常勤の国家公務員で首相の諮問に答える「ブレーン」的な存在だ。一切公金が払われていないということはあるのだろうか。
たとえば、国会議事録を検索してみると、今年3月22日の参院農林水産委員会では、西川公也元内閣官房参与の給与について、「勤務1日につき2万6400円が支給されていた」との答弁が確認できる。
この点について、内閣官房は次のように話す。
「内閣官房参与の給与は、他の審議会の委員などの単価に準じて決まっており、現在は勤務1日につき一律で2万6400円の給与が支払われています」(内閣総務官室)
ただし、高橋氏も含めて、10人いる参与のうち3人は給与を辞退しているという。交通費などの経費についても尋ねたが、
「高橋参与に対して内閣官房からは一切の支払い実績がありません」(同)
とのことだった。情報公開請求等で何かが判明する可能性はゼロではないが、少なくとも内閣官房からは高橋氏に何らかの支払いをしている可能性は低いようだ。
とはいえ、そもそもの論点は、高橋氏に給与が支払われているかどうかではなく、首相のブレーンの発したツイートの内容そのものであったことには留意が必要だろう。