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伝統のインディ500を含むアメリカを代表するフォーミュラレース【モータースポーツ入門ナビ】

2021年05月12日 19:01  AUTOSPORT web

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インディ500予選での平均時速は、372km/hに上る
各地から届く桜や梅の開花の便りとともに春の訪れを実感するこの季節、モータースポーツの世界では通常、新しいシーズンの開幕が迫る時期を迎える。

 2021年もいまだ新型コロナウイルスの脅威が収まらぬなかではあるが、F1をはじめ、WECやインディカ―、国内のスーパーGT、スーパーフォーミュラといった各シリーズの開幕戦が3~4月にかけて順次開催されていく。

 ここでは、そんな各カテゴリーの楽しみ方や観戦のヒントとなるポイントを初心者にも分かりやすく紹介していく。シリーズ第6回目は4月17~18日にバーバー・モータースポーツ・パークで開幕戦が行われるNTTインディカー・シリーズだ。

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■ポイント
・北米のトップフォーミュラカーシリーズ
・ロードコース、ストリートコース、楕円形コースのオーバルの3種類のコースで争う
・レース距離の最長はインディ500の500マイル(約804km)
・ワンメイクのダラーラ製シャシー、ダラーラDW12を使用
・タイヤはファイアストンタイヤを使用
・ロード/ストリートレースでは、硬めのブラックタイヤと柔らかいソフトタイヤの2種類を使用
・エンジンはホンダとシボレーが2.2リッターV6ツインターボエンジンを供給
・燃料は生物由来のエタノール85%とガソリン15%の混合燃料

■インディカーの紹介
 北米のトップフォーミュラカーレースであるインディカー・シリーズ。アメリカとカナダを舞台に、レーシングコースや市街地コース、楕円形のオーバルコースを転戦し年間17戦で争われる。

 このシリーズに含まれるのが、30万人以上の観客が訪れる伝統のレース、インディアナポリス500マイルレース(インディ500)だ。2021年で105回目の開催を迎えるインディ500は、F1モナコGP、ル・マン24時間と並んで世界三大レースに数えられる。

 2017年に日本人で初めてインディ500を制した佐藤琢磨は、2020年に2度目の勝利を挙げる快挙を達成。インディカー参戦12年目となる2021年もインディ500の連覇、そしてシリーズチャンピオンを目指す。

 インディカー・シリーズは、ワンメイクシャシーのダラーラDW12を使用し、タイヤはファイヤストンを採用。エンジンは、ホンダとシボレーの2.2リッターV6ツインターボエンジンを搭載する。

 ダラーラDW12は、2012年からインディカーに導入されたシャシーで、2015年からはエンジンを供給するホンダとシボレーがそれぞれのカスタマーチームにエアロパッケージを製作。2020年からは、ドライバーの頭部をアクシデントから守るエアロスクリーンが装着された。

 エアロパッケージは、ロード/ストリート、ショートオーバル、スーパースピードウェイと大きく3パターンに分かれ、スーパースピードウェイで争われるインディ500では、高速オーバル用のエアロパッケージを装着している。

 オーバルレースでの超高速接近バトルは、インディカー・シリーズの特徴のひとつだ。インディ500予選での平均時速は、372kmを超える。

 また、オーバル用のインディカー・マシンは、反時計回りに楕円形のコースを周回するためにマシン自体が傾いていてるのも特徴だ。

 2021年は全17戦で争われ、2003年から2011年までは『インディジャパン』として日本のツインリンクもてぎでもシリーズ戦が開催された。

 フル参戦のドライバーは約22名、インディ500では33名が決勝レースに出場し、日本人ドライバーは、佐藤琢磨をはじめ松浦孝亮や武藤英紀など過去に9名が参戦。佐藤琢磨は、2017年と2020年のインディ500優勝を含むシリーズ通算6勝を挙げている。