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停車したのに「歩行者妨害」で取り締まり、ドライバーが「納得いきません」 対処法は?

2021年05月12日 09:51  弁護士ドットコム

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「歩行者妨害違反だとされたが、納得できない」。弁護士ドットコムにはそんな相談がいくつか寄せられています。


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ある人は車を運転中、右折する前に、横断歩道の手前で一時停止しました。その際、車に道を譲ろうとした歩行者を一旦止まらせてしまったため違反になったといいます。その場では署名、指印をしてしまったそうです。後で警察署に納得していないことを伝えに行ったそうですが「そちらが悪い」と認めてもらえなかったといいます。



また、横断歩道のある交差点で一時停止後に左折したのに違反になったという人もいるようです。こちらのケースでは、一時停止をした旨を伝え、否認して青切符のサインを拒否。最終的に、調書を取られサインさせられたそうです。



そもそも「歩行者妨害」とは、どのような状況を指すのでしょうか。また、警察の対応に納得がいかない場合、どのような対応ができるのでしょうか。鬼沢健士弁護士に聞きました。



●「取り締まりに納得いかない」その対処法は?

ーーそもそも歩行者妨害は法的にはどのように定められていますか



歩行者妨害とは、道路交通法第38条第1項で規定されています。それによれば、車は横断歩道で横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならないとされています。



ーーではなぜ、相談者の場合、一時停止したのに違反になってしまったのでしょうか



それは、道路交通法第38条第1項の「その通行を妨げないようにしなければならない」が問題になったと考えられます。この文言からすると、歩行者から譲られたとしても歩行者の通行を妨げたことには変わらないと解釈されるからです。



ーー取り締まりに納得できない場合、どのような手続きがとれるのでしょうか



警察の対応(取り締まり)に納得ができない場合は、反則金の納付をしないことで刑事手続に移行させ、そこで争うことになります。いわゆる「青切符」にサインをした場合でも同様です。



いずれ、検察庁から呼び出しがありますので、そこで不服を主張することが可能です。なお、主張が認められず、罰金等の刑事処分を受ける可能性はありますが、他方で主張が通らなくても不起訴処分となることもあります。



刑事手続きとは別に行政処分もあります。違反点数がたまり90日以上の免許停止や免許の取り消しになる場合は、公安委員会の聴取で、不服の理由を述べたり、証拠の提出することが認められます。



また、公安委員会に書面で異議申し立てをすることができます。裁判所に対しても、処分取消を求める行政訴訟を起こすこともできます。いずれも期限がありますのでお早めに対応が必要ですし、これらが認められるハードルは一般的に極めて高いことに注意してください。




【取材協力弁護士】
鬼沢 健士(おにざわ・たけし)弁護士
詐欺サイト(出会い系、支援金、サクラサイト)・副業詐欺被害救済、交通事故、労働問題、を取り扱う。
事務所名:じょうばん法律事務所
事務所URL:http://www.jobanlaw.com/