職場で突如として鳴り響く、一本の電話。その音にドキッとしたり、変な胸騒ぎを覚えたりする人は少なくない。都内の30代男性(事務・管理/年収350万円)は
「かかってくる電話が基本、クレームばかりだった。それに当時のダメ上司から電話対応のことで理不尽な怒られ方をされていた」
と新入社員時代を振り返る。この経験がきっかけで、電話対応にマイナスなイメージを持っていることを明かした。ほかに、都内の30代女性からは
「そもそも、会社の電話の音質が悪い。相手方には滑舌の悪い人もいて、聞き取りに時間がかかるため苦手」(ITエンジニア/年収400万円)
という声も寄せられていた。今回は、電話対応が苦手な3人のエピソードを紹介する。(文:鹿賀大資)
「そんな対応で大丈夫なのだろうか、と常に疑問に思っている」
北海道の30代男性(営業職/年収300万円)は現在の職場で、基本的な電話対応の仕方について指導を受けたことがないそうだ。電話が鳴ると、職場の人から「適当に出て」と言われることが日常茶飯事のため、
「そんな対応で大丈夫なのだろうか、と常に疑問に思っている。いまだに社内の人間の呼び方を間違えたり、受け答えで焦って噛んだりしてしまう」
ともらしている。
都内在住の40代女性(正社員/年収500万円)は、以前の職場で経験した電話対応がトラウマになってしまった。その会社の社長や役員は電話をかける際、内線でも外線でもまったく名乗らなかったのだ。
「電話に出て『恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか』と言おうものなら、『俺の声も覚えてないとは失礼だ』と怒られるのが普通でした。ちなみに、社員数1000人以上の会社です」
しかし一般的には、女性の対応に非はなく、むしろ名前を名乗らない方が失礼にあたる。これでは女性が電話に出たくなくなるのも仕方がない。
「精神的につらくなり辞めました」
兵庫県の40代女性(契約社員/年収200万円)も、元勤務先の電話対応で苦しんだ。そこはバス会社で、女性は電話予約のオペレーターとして入社。高速バスの利用を希望する客に対し、電話で座席の確認などに応じていた。
「ほぼ座学などなく、知識はバスの路線図と各路線のパンフレット頼み。そんな状態で電話対応に出ていたこともあり、私は手早くさばけませんでした。お客さんからはマイペースと思われていたようで、電話口で注意を受ける毎日。バス停同士の距離や乗り継ぎの時間を聞かれても、即答できませんでした」
困っていても職場の人が助け船を出してくれることはなく、女性は1か月ほど耐えたが「精神的につらくなり辞めました」と綴っている。
※キャリコネニュースでは引き続き「電話対応が苦手な人、苦手だった人」のほか【緊急募集】三度目の緊急事態宣言、あなたが思うことや現在困っていることを教えてくださいや共働き・片働きの不満などのアンケートを募集しています。