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『美味しんぼ』山岡士郎と栗田ゆう子が大喧嘩!? 2人が乗り越えた“試練”を振り返る

2021年05月06日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『美味しんぼ』25巻

 『美味しんぼ』の主人公、山岡士郎と栗田ゆう子。2人は東西新聞社で出会い、究極のメニュー作りを通して惹かれ合い、結婚することになる。そんな2人は常に良好な関係を築いていたが、時折大きな喧嘩をすることもあった。代表的なエピソードを振り返ってみたい。


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■二木まり子の策略で大喧嘩


 二木まり子から中堀というシェフがスパゲッティ屋を開店するため、力を貸してほしいと頼まれた山岡。当初は渋るが、最終的に同意すると、二木は山岡に抱きついて喜ぶ。その様子を見た栗田は露骨に不快感を示した。


 ひょんなことから海原雄山とスパゲッティで対決することになった山岡。中堀の店で二木会長とまり子が山岡に美辞麗句を並べるが、栗田は「海原雄山より良いメニューを考えられるとは思えない」と言い放ち、喧嘩になる。


 山岡が考えた究極のスパゲッティ案を聞いた栗田は「ピンとこない」「明確な主張がない」「店のスパゲッティと変わらない」と助言するが、今度は二木が激怒。栗田も怒り、立ち去ってしまった。結局、栗田の助言を無視した山岡は雄山に敗北。内心、栗田のことが好きだったと思われる山岡は、二木まり子からの誘いを栗田の目の前で断り、食事に誘って謝罪した。(25巻)


 二木まり子に翻弄され、至高のメニュー対決に敗北した山岡と栗田。痛恨のミスだったと言えるだろう。


■「中立を保つ」発言に栗田が激怒


 栗田にプロポーズした団社長と近城カメラマン。それぞれはライバルが山岡と見て、面会し「正々堂々と勝負したい」と告げる。


 仕事を通じて盟友関係を築いていた近城は山岡をバーに呼び出し、「栗田さんはほかに気になる男性がいるらしい」と話す。近城はその相手は山岡と感じていたが、当の山岡は「俺は中立を保つ」と団社長を想定しているような話しぶりで、出ていった。


 翌実の朝、二日酔いで会社に現れた山岡は栗田に「昨日団社長と近城の旦那に会ったよ。2人とも君に結婚を申し込んだんだってね」と声をかける。そして「俺は中立を保つって決めたから、どちらの肩を持つわけにも行かないんだ」と告げる。


 「中立」という言葉に激怒した栗田は「勝手にするといいわ」と叫び、先にエレベーターに乗り、ドアを閉める。相談を受けた荒川と三谷は激怒し諦めるよう促すが、栗田は山岡を諦めきれず。結局、山岡と栗田の結婚を目論む美食倶楽部の仲居・おチヨの活躍で、2人の仲が戻ることになった。(42巻)


■山岡が朝食にクレームをつける


 同居した翌日の朝、栗田が作った朝食の豆腐とわかめの味噌汁を見た山岡は「俺は、具は一種類が好きだ」「豆腐の大きさが小さすぎる」とムっとする。


 さらに「きゅうりの切り方が変」、「納豆に卵の黄身を入れるのはおかしい」「サンマの頭は落として焼くもの」と指示する。その日は謝罪した栗田だが、翌日も山岡から色々と注文をつけられると激怒。「結婚したら急に暴君になる人がいるって言うけど、あなたもそうなのね」「あなたがこんなに乱暴で残酷な人なんて」と泣き、自分の部屋に引きこもってしまった。


 突然、優しさを失った山岡。離婚してもおかしくない事案だったが、マンションの1階で料理屋を営むはるさんのとりなしで、なんとか仲を戻すことができた。(48巻)


 山岡の行動に「雄山と同じことをしている」「血は争えない」などと見る読者もいたようだ。


■隠し子問題


 ある日山岡と栗田が食事を終え家に帰ると、ドアの前に子供が放置されていた。そこには手紙が添えてあり、「士郎さん。ご結婚おめでとうございます」「子供をかわいがってください 裕美」と書かれていたのだ。


 警察に相談するも民事不介入と言われ、「結婚をためらっていたのも裕美さんがいたからなのか」と憤り、話し合いを要求する栗田。離婚必至の事案だったが、山岡は頑なに否定し続け、疑っていた栗田も「山岡さんがあんなことするはずない」と信じるようになる。


 結局、子供を捨てた裕美が数日後に家を訪れ、前に住んでいた竹井明夫という人物が父親であることが判明。「士郎」は、竹井の俳号だった。疑いが晴れると山岡は「信頼関係が強くなった」と笑った。(48巻)


■度重なる喧嘩で培った信頼関係


 山岡と栗田は究極のメニュー作りを通して信頼関係を築いてきた。喧嘩別れや離婚してもおかしくないエピソードも数多くあったが、そのたびにお互いが自分と相手を信じ、関係を強固なものにさせている。相手を信頼すると同時に、怒ったときには意見をぶつけ合う。そんな2人の関係は、理想の夫婦像といえるのかもしれない。