奨学金で大学に通った人は多い。日本学生支援機構の調査によると、奨学金を受給している学生の割合は、大学で47.5%、短期大学で55.2%(いずれも昼間部)にのぼる。社会人になってから始まる奨学金返済について、どう感じているのか。
サービス系で正社員として働く20代男性は、奨学金約310万円を背負っている。地方在住で年収は300万円に満たない。その中で月1万5000円ずつ返済している。現状について、
「実家暮らしたがらなんとか 生活できている。幸い、無利子の一種だったのもある。地方だけど車なんて持てない。ましてや、1人暮らしなんて出来ない」
と綴っている。地方暮らしだと車は生活に必須であることが多い。それにもかかわらず自身の車を所持できないのは大変だといえそうだ。
年収200万円の40代女性「滞納中です」
東京都の30代男性は、正社員で年収950万円。借りた金額は630万円で、月3万円の返済を行っている。平均年収を大きく上回るが、それでも、「返済金額が多いので貯金が他の人より少ない。そういう点からすると返済が重いと感じる」と綴っている。
同じく東京の40代女性は、パート・アルバイトで年収は200万円で、借りた金額は200万円。通常なら月1万4000円の返済だが、「滞納中なので払える月に5000円ずつ振り込んでいます」と明かす。この状況に、
「クレジットのリボ払いのように、毎月の返済額が選択できたら良いと思います」
とこぼしている。一方、大阪府の20代女性は、正社員で働いているものの年収は300万円未満。380万円の奨学金を月2万円ずつ返している。生活費と返済で一杯一杯のようで「暮していけません」と嘆く。
日本学生支援機構の調査によると、2019年度の奨学金延滞者の年収帯は年収300万円以下が計69.7%にのぼる。一方、無延滞者は年収300万円以下は42.4%に留まっている。つまり、奨学金の支払いが滞っている人たちは、そうでない人たちに比べ、年収が低い傾向がある。
延滞理由を聞くと、最も多いのが「本人の低所得」で62.7%。決して安くはない額を借りて進学したものの、就職先の給与では返済が難しい状況に陥った人が多いのかもしれない。奨学金には猶予制度や減額返却制度もある。再度確認してみるのも手だ。
※キャリコネニュースでは引き続き「奨学金返済中の人」のほか【緊急募集】三度目の緊急事態宣言、あなたが思うことや現在困っていることを教えて下さいや緊急事態宣言でも出社などのアンケートを募集しています。