スーパーGT500クラスで2016年の第7戦タイ以来となる、5年ぶりのポールポジションを獲得したWedsSport ADVAN GRスープラ。予選Q1を担当した国本雄資が6番手でクリアし、GT500レギュラー参戦2年目の宮田莉朋が1分26秒4というQ1のトップタイムをコンマ7秒縮める驚速タイムを刻み、自身初、そしてチームに5年ぶりのポールをもたらした。一方、気になるのは決勝ロングランでの手応え。予選後の坂東正敬監督に聞いた。
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本当に素晴らしい結果です。今回はヨコハマタイヤさんの努力、気温と路面のコンディションが宮田莉朋のドライビングとともにバチッと決まったのではないかなと思います。今年からQ1を自分から進んで行ってもらっている国本(雄資)がスムーズにQ1突破してくれたのもポールを獲れた要因だと思います。
国本は2周アタックに行っているのでタイヤのグリップが分散しましたが、その国本のフィードバックが良かったと思います。それにしても、宮田のタイムは僕らが予想していたよりも速いタイムでした。
開幕戦はタイヤがコンディションに合わなくて悔しい思いをしました。これまでもブリヂストンのGRスープラ5台とウチのヨコハマが1台でデータ量も少ないですし、トヨタ勢のなかでもLC500の時からいいところを見せることができなかった。今もコロナの影響でテストもなかなかできない状況ですので、ブリヂストンのGRスープラ勢が結果を出しているなかで、ウチは結果が出なかったので、ここでひとつ予選の結果が出たというのはチームの雰囲気も良くなりますし、ヨコハマタイヤの今後にもつながる。
今年は国本と宮田、やっと2年続けて同じドライバーラインアップを組めたことも大きいです。そのお陰で莉朋のいいところを引き出せたと思いますし、莉朋も『やってやるぞ』という自分のチャレンジャーとしての気持ちをタイムで表してくれた。彼にとっても大きな自信になったと思います。
僕らのタイヤは持ち込んでいるなかでもハードというか硬い方というか、いずれにしても決勝を考えてのタイヤなので、本当にポールを獲れたのはマシンとタイヤ、そしてドライバーが一体となって決まったのと、あとは土屋春雄さんのパワーがADVANに宿ったのかもしれないですね。
ヨコハマタイヤは常にチャレンジャーですし、僕らも他のチームに対してのチャレンジャー精神が今回、いろいろ組み立てて進めているなかで、ひとつの結果に結びついた。ヨコハマタイヤにとっても、チームにとっても、ドライバーにとっても今後のプラス材料になると思います。
決勝のレースは本当にちょっとしたコンディションの違いで変わるので難しいですけど、僕らはチャレンジャーですので。500kmと長いレースですけど、確実に次につなげられるように、そしてGRスープラ勢のなかでも存在感を示せるように、タイヤ交換作業を含めてチーム一丸となって頑張ります。
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坂東監督が話すように、今回の予選Q1を見ても1秒差に14台と僅差になったことからも、決勝はどのチームが勝ってもおかしくない混戦が予想される。決勝当日の気温と路音次第で勢力図が大きく変わる状況になりそうで、予選日もトラブルやスピンが多かったことから、決勝の500kmではさまざまなアクシデントやトラブルが想定される。そのなかでも予選日の高いパフォーマンス、そしてサクセスウエイトが0kgのWedsSport ADVAN GRスープラがまずはレースの中心になることは間違いなさそうだ。