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Apple IDってなんだろう? - いまさら聞けない!「Apple ID」の正しい使い方

2021年05月02日 16:51  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
Appleのハードウェアやサービスを使うにあたって、必ず必要になるのが「Apple ID」だ。様々なシーンで使用されるIDだが、実は案外、何に利用でき、どう管理したらいいのか、正しく把握している人は少ないのではないだろうか。知っているようで知らない「Apple ID」について、今一度整理してみよう。これからiPhoneやMacを購入する人にとっても大いに参考になるはずだ。

○Apple IDはAppleのサービスの身分証

iPhoneやMacを購入して初めてセットアップを開始したとき、ユーザー名などとは別に「Apple ID」というものを作らされる。とりあえずメールアドレスを入力してパスワードを設定すれば機能するので、これが一体なんなのかわからないまま、そのまま利用している人も多いのではないだろうか。

Apple IDとは、Appleが提供するサービス(iCloud、App Storeなど)を利用する際に必要なアカウントだ。Googleの「Googleアカウント」やMicrosoftの「Microsoftアカウント」などのApple版と考えればいいだろう。Apple IDを必要とするAppleのサービスはたくさんあるので、筆者がざっくりと分類してみたのが下記のリストだ。

iCloud系サービス
iCloud
iMessage
FaceTime
ファミリー共有
「探す」
コンテンツ系サービス
App Store(Apple Arcade)
Apple Music(iTunes Store)
Apple Books
Apple TV、Apple TV+、Apple TVチャンネル*
Apple Fitness+*
Apple News*
Game Center
Apple Podcast
サポートおよび店舗サービス
Apple Store App
Appleサポートコミュニティ
Apple Store(オンライン)
Apple Store(直営店)のサービス/プログラム(コンシェルジュ、Join Venture、ワークショップ、ジュニア向けプログラムなど)
決済系サービス
Apple Pay、Apple Card*、Apple Cash*
認証系サービス
Appleでサインイン

(*:日本ではサービス未提供)

iTunes StoreやApple Musicといったサービスで使用する「iTunesアカウント」もApple IDとして利用できる。このあたりはWindowsやAndroidでも利用できるため、Appleユーザーでなくとも取得したことがある、という人はいるかもしれない。

また、Appleユーザーにはお馴染みのウェブサービス「iCloud」のアカウントもApple IDとして利用できる(さらに、iCloudの前身である「iTools」「.Mac」「MobileMe」のアカウントも同様)。このように、知らないうちに有効なApple IDを持っていたーーということは十分あり得るので、改めてApple IDを取るのではなく、既存のアカウントを流用してもいい。

各グループの特徴は以下の通り。

iCloud系サービス
iCloudに含まれる、あるいは関連したサービス。多くの機能はアプリにもなっている。iCloudは写真や書類のバックアップや共有といったクラウドサービスだけでなく、iMessageやFaceTimeといった連絡アプリや「探す」サービスとも連動している。また「ファミリー共有」によって児童ユーザーのデバイス利用を管理したり、コンテンツを共有できるので、お子さんのいる家庭ではしっかり使いこなしたい。
コンテンツサービス(Apple Music、Apple TVなど)
Apple IDを通じてデジタルコンテンツを購入できるサービス。Apple Music、Apple Booksなど。App Storeもここに含めることができる。ここに属するサービスは基本的にiTunes Cardで決済できるほか、「ファミリー共有」で家族間で共有できる。
サポートサービス(Apple Store、サポートコミュニティなど)
ハードウェアとApple IDを紐づけることによって、効率良く修理や保証などのサポートが受けられる。サポート内容や履歴はすべてオンラインで確認できる点も便利だ。なお、リアル直営店でもApple IDを使用して予約や順番管理を行っている。
決済サービス(Apple Pay)
クレジットカードや電子マネーサービスをiPhoneに取り込み、非接触決済が可能になるサービス(要クレジットカード)。日本だと非接触決済はSuica、PASMO、iD、QUICPayのいずれかになる上、Apple CardやApple Cashが始まっていないので、まだあまり恩恵を感じられないかもしれないが、オンラインの決済でも利用可能で、認証サービスとあわせて採用するところが増えて便利になりつつある。
認証サービス(Appleでサインイン)
「Googleでログイン」や「Twitterでログイン」などと同様に、Apple IDで他社サービスのアカウント認証を行えるサービス。サービス側に最低限の情報を登録するだけでいいので、プライバシー保護を気にしている人にはうってつけ。なお、MacとApple WatchがあればMac(macOS)へのサインインにも利用できる。

ざっと紹介してきたが、意外と様々な使途があるということはお分かりいただけるだろうか。iPhoneユーザーでもApple IDをまったく使わないという選択肢がないわけではないが、OSもハードウェアも、Apple IDを中心に連携しあうように設計されているので、その真価を引き出せない。特にお子さんがいる家庭でiPhoneの利用などをしっかり管理したい場合は、Apple IDを使った設定が不可欠だ。

また、これからネット上の様々なサービスを利用したい場合、Apple IDを使った認証が大変役に立つケースが多い。同様の認証サービスについては「別にGoogleやMicrosoft、AmazonやFacebookのアカウントでもいいじゃん」という方もいらっしゃると思うが、Apple IDはユーザー情報を広告などの表示に利用しないことが明記されており、プライバシーを重視する人にとっては安心感が高いこともポイントと言えるだろう。

さて、今回はApple IDの概要について簡単に紹介してきたが、次回はApple IDの取得と設定にまつわる注意事項についてご紹介する予定だ。(海老原昭)