5月1日、MotoGP第4戦スペインGPの予選がヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、MotoGPクラスはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がポールポジションを獲得。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は2021年シーズンの自己ベストグリッドとなる2列目5番グリッドを獲得した。復帰2戦目のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)はフリー走行3回目で大クラッシュを喫したが、その後のセッションには参加。予選を14番手で終えた。
フリー走行3回目はドライコンディションながら気温が15度、路面温度が23度と低め。序盤にトップタイムを記録したのは、初日総合3番手だったアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)である。
前日のフリー走行2回目では体力を温存していたと言うマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は、早々に3番手タイムを記録。同じく初日、電子制御系のトラブルに見舞われたジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)は4番手につける。
アレイシ・エスパルガロはしばらくトップをキープしていたが、セッション開始25分、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が1番手タイムをマーク。さらにファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップに浮上する。
各ライダーのアタックが始まった残り時間3分、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が1分36秒985を叩き出し、トップに浮上する。
その直後、衝撃的な映像が飛び込んできた。7コーナーでマルク・マルケスがクラッシュを喫したのである。マシン、マルク・マルケス自身ともにエアフェンスに叩きつけられる、ハイスピードでの転倒だった。マルク・マルケスは自身で起き上がり、その後スクーターに乗せられてピットに戻る様子が確認されている。
最終的に、このセッションを制したのは中上。得意のヘレスで、久々のセッショントップタイムを記録して、Q2へのダイレクト進出を決めた。2番手はクアルタラロ、3番手には今大会にワイルドカード参戦しているホンダのテストライダー、ステファン・ブラドル(ホンダ・HRC)が入った。
4番手にはミル、そして5番手にはアレイシ・エスパルガロが入りこの週末、トップ5以内につける安定感を見せている。
マルク・マルケスは転倒によりタイム更新はならず、12番手。Q1から予選に挑むことになった。マルク・マルケスはメディカルセンターへ行き、その後さらなる検査のために病院へ向かったが、参戦に問題ないことが確認されてフリー走行4回目に出走している。
続いて行われたフリー走行4回目では気温が19度、路面温度は39度まで上昇したが、転倒が相次いだ。ロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が9コーナーで、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)は2回目の転倒を2コーナーで喫した。アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)は5コーナー、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)はマルク・マルケスがフリー走行3回目で喫した7コーナーで転倒。終盤にはダニロ・ペトルッチ(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)が2コーナーでクラッシュした。どの転倒でもライダーは無事だった。
このセッションをトップで終えたのはクアルタラロ。2番手がマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)で3番手がリンス。中上は4番手だった。5番手にはモルビデリが入っている。マルク・マルケスは10番手だった。
■予選:クアルタラロがポール獲得。マルク・マルケスはQ1突破ならず
予選は気温20度、路面温度41度というコンディションで、Q1から始まった。Q1から挑むのはマルク・マルケス、ポル・エスパルガロ、バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)などの面々である。
前半のアタックではマルク・マルケスがトップタイムをマーク。しかしその後ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、モルビデリにタイムを更新されて3番手で後半のアタックに入る。
後半のアタックでもモルビデリがタイムを詰め、1分36秒916を記録してトップに浮上。2番手をキープするのはビンダーで、マルク・マルケスはタイムを更新できないまま残り時間が迫る。最後のラップで、マルク・マルケスは計測せずにピットに戻り、最終的に4番手。グリッドとしては5列目14番グリッドとなった。トップはモルビデリ、2番手がビンダーで、このふたりがQ2に進んでいる。
迎えたQ2では、クアルタラロが1分36秒807をマークして前半のアタックでトップに立つ。さらにQ1を突破したモルビデリが2番手、そしてフリー走行3回目でトップタイムを記録した中上は3番手につける。
後半のアタックに入ると、トップのクアルタラロが自身のタイムを更新。1分36秒755を記録すると、このタイムを更新するライダーは現れず、クアルタラロが2戦連続のポールポジションを獲得した。
2番手はモルビデリ、3番手はジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)で、この3人がフロントロウを獲得。4番手はバニャイア、中上は後半のアタックでタイムを更新できず5番手。フロントロウは逃したものの、2021年シーズン最上位のグリッドから決勝レースを迎える。
ここまでよい流れで予選を迎えたアプリリアのアレイシ・エスパルガロは8番手。ミルは10番手で4列目からのスタート。Q1からQ2に進出したビンダーは11番手で、KTM最上位グリッドとなった。