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【角田裕毅F1第3戦密着】「直すべきところもある」と臨んだ初走行のポルトガル。ミスから学び、初日は61周を走行

2021年05月01日 10:01  AUTOSPORT web

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2021年F1第3戦ポルトガルGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2週間ぶりにサーキットに帰ってきた角田裕毅は、2週間前のエミリア・ロマーニャGPでのミスを「目標を高く設定しすぎた」と説明した。その理由は、角田にとってイモラは一番走り込んだサーキットだったからだ。

 しかし、その意気込みが次第に空回りしていく。

「FP3(フリー走行3回目)ではトラフィックに引っかかってしまって、結局1回も本当のパフォーマンスでラップできなかった。予選前の段階で、実際、自分がどのあたりの位置にいるのかわからなかったんです」

 自分のポテンシャルがわからないまま、角田は2回目のF1の予選に臨み、最初のアタックでクラッシュした。

「予選後に調べてみたら、FP3の段階で4番手くらいにいたんです。予選までにその件でエンジニアともコミュニケーションが取れず、FP3があまりうまくいかなったストレスもあって見つめ直しもできなかった」という角田は、1セットのタイヤでQ1突破を確実にしようとプッシュしすぎてしまった末のミスだった。

「あれはQ1でするべきではなかったし、本当に反省してます。予選までの組み立てがうまくいってなかった」と振り返る。

 予選でのクラッシュに打ちひしがれた角田は、レースのスタートを迎える直前まで、正直気持ちをリセットできなかったという。

「がっかりした気持ちが大きすぎて……。高い目標を立ててイモラに乗り込んできたので、あの順位でスタートするのはすごく悔しくてがっかりしていました」

 レースでも赤旗後の再スタート直後にスピンを喫した角田は、チームの地元でまさかのノーポイントに終わった。失意とともにイタリアからイギリスの自宅に帰った角田は、それでも現実を受け止めていた。うまくいかなかったレースの後、ドライバーによってはメディアからの情報を遮断したり、SNSをいっさい見ないという者もいるが、角田はそこまで閉じこもることはしなかった。

「もちろん、SNSで書かれていることをそのまま鵜呑みにはしていませんが、そのになかは気にしなくちゃいけないところもあるし、直さなければいけないところもあるとは思っています」

 こうして臨んだポルトガルGP。初日の角田にイモラのようなプレッシャーはないように見えた。それは、舞台となるアルガルベ・インターナショナル・サーキットが角田にとって、初めて走るコースだったからだ。

「ポルトガルのコースを走るのは今回が初めてですが、起伏に富んでいてとても楽しむことができました。初めてという点で、バーレーンやイモラとは違う。ちょっとずつ詰めて(限界を探って)いって、予選までにある程度まとめ上げられればと思っています。そしてレースでは再びポイントを獲れるよう、クリーンなレース週末にしたいです」

 グランプリ初日の角田の周回数はバーレーンGPが44周、エミリア・ロマーニャGPが34周、そしてこのポルトガルGPが61周。

 前回のミスから何かを学び、確実に成長している角田の姿がそこにはあった。