2021年シーズンの7戦目のグランプリを巡って、さまざまな噂が駆け巡っている。
当初、7戦目のグランプリに予定されていたのは、カナダGPだった。しかし、3月に入って新型コロナウイルスの感染が再拡大し、4月12日には1日1万人以上が新規感染する事態となり、アメリカを除く各国からの外国人の入国を原則禁止している(永住者、カナダ市民、永住者の近親者などは例外)。
そのため、たとえ無観客での開催にしても、ヨーロッパから1000人以上のF1関係者がカナダに入国し、レースを行うのは難しいと言われており、代替グランプリがいくつ浮上していた。そのなかで、最も可能性が高かったのが、トルコGPだった。トルコは感染がなかなか収まらないなかでも、昨年もF1トルコGPを開催したように、イベントやスポーツの開催を積極的に行い、経済を優先した政策をとってきた国だった。
ところが、こちらも3月に入ってから、感染が再拡大。特に4月に入ってから急拡大し、4月14日には1日6万人以上が新規感染し、カナダを上回る感染爆発を起こしていた。そのため、その直後に開催されていたエミリア・ロマーニャGPでは「トルコGPも中止か?」という噂が駆け巡り、その代替グランプリとして、ドイツ・ニュルブルクリンクが候補に急浮上していた。
ちなみに、トルコのエルドアン大統領は4月26日に、感染拡大を抑制するため、4月29日から5月17日まで、トルコ全土をロックダウン(都市封鎖)すると発表しており、もはや6月にF1を開催するのは絶望的となっている。
そのため、F1が6月に第7戦としてF1を開催するのは、事実上ニュルブルクリンクしかなく、イモラでは「エミリア・ロマーニャGP直後に発表がある」とも噂されていた。
しかし、エミリア・ロマーニャGPから1週間が経過しても、F1とFIAからはまだ正式な発表はない。ニュルブルクリンクでの開催は決定済みで、あとは発表するだけという状況なのか。それとも、ニュルブルクリンクでの開催が暗礁に乗り上げたのか。
コロナ禍のなか、開幕した2021年シーズンのF1は、最初の関門に差し掛かろうとしている。