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100トンのハンマーは愛の重み? 『シティーハンター』“もっこり”封じの必殺アイテムを検証

2021年04月28日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 『シティーハンター』の名物シーンといえば、女性にもっこりする冴羽獠と、それを阻止するために容赦なく叩きのめす槇村香の攻防だ。香は嫉妬や、依頼者を守る観点から、様々なアイテムを使い、もっこりを封じている。そんな香のもっこり封じアイテムを検証してみよう。


ハンマー

 香の代名詞とも言うべきハンマーだ。獠がもっこりをする、あるいは依頼者の女性に手を出そうとすると、どこからともなく取り出したハンマーで、獠を叩く。その種類はかなり豊富で「100トン」が主流だが、獠の行動や香の気分で、重さが変わる。


 気になってくるのはなぜシティーハンターと恐れられる獠が香のハンマーを避けられないのか。獠は16巻で海坊主の恋人美樹から「避けられない理由」を聞かれ、「避けようとは思うんだけど、そのなんつーか。あいつの殺気はその避けられない気分にさせられる」と語っている。この話を聞いた美樹は2人が愛し合っていることを悟った。


 また原作者の北条司氏も、2019年に自身のTwitterで「避けられないのではなく、避けないんだと思います」「心のどこかで香に止めてほしいと思っているかもしれませんね」と語っている。


 香のハンマーはもっこり封じであると同時に、愛を確認する行為なのかもしれない。


こんぺいとう

 針のついた大きな鉄球で、鎖もついている。その形がこんぺいとうに似ていることから、そのようなネーミングが付けられたものと見られる。


 ハンマーよりも強烈な攻撃力を持つ代物を、香は容赦なく獠にぶつける。20巻では、生き別れになっていた実姉立木さゆりとの初対面で、鎖鎌と鎖をつけたこんぺいとう2号を獠の顔面に打ち付け、さゆりがショックを受ける描写があった。その攻撃力は、随一かもしれない。


もっこり貞操帯

 男性経験のない由貴に「恋愛を教える」と意気込み、デートに誘う獠。香は「もっこりは刺激が強すぎる。なんとかしなければ…」と悩む。


 由貴に想いを寄せるヤクザの政が開発したのが、もっこり貞操帯。女性用を改造した鋼鉄の貞操帯で、暗証番号を入力しないと、解錠することができない。しかももっこりすると、局部に強烈な痛みが走る仕様だ。香と政は獠が寝ている隙に、もっこり貞操帯を装着した。


 渋々もっこり貞操帯をつけてデートに出かけ獠だが、なぜか由貴がもっこりポイントばかりに足を運ぶことになり、そのたびにもっこりで局部を痛めてしまう。最後はもっこりパワーに鋼鉄の貞操帯が耐えられず、ぶち破れてしまった。


 結局由貴は獠の異常なもっこりを病気と勘違いし、デートを中断して病院に連れて行った。もっこり貞操帯は、一定の効果はあったものの、もっこりパワーに敗北し使い物にならなくなった。


煩悩退散棒(丸太)

 好奇心旺盛な探偵神村愛子の「銃の訓練を受けたい」という依頼を受けた獠に嫉妬した香は、ポケットベルを渡し、定時連絡を要求する。


 愛子は獠の拳銃を見ると、定時連絡中の背後から椅子で殴り、あろうことか奪って逃走する。しかしこれは獠の計算の範囲内で、公園に先回りし、「依頼人として試した」「依頼人としても合格、唇も合格」とキスを迫った。


 ここで香が登場し「煩悩退散棒」と書かれた丸太で頭を思いっきり叩き、愛子を守る。この回では、もう一度棒が登場し冴羽獠を叩くのだが、そこには「天誅」と書かれていた。


 このような丸太による攻撃は多々見られ、獠が美樹を風呂場に閉じ込め、行為に及ぼうとした際には「風呂場行超特急バスルームエクスプレス」と書かれた丸太でKOしている。


愛を裏付けるもっこり封じ
『シティーハンター』(2巻)

 香の様々なもっこり封じアイテム。いずれも戦いの最前線で生きてきた獠ならかわすことができるが、敢えて攻撃を受けている。この光景は、2人が心の底で愛し合い、通じ合っていることを表しているのだろう。