「体育会系」と聞くと、どのようなイメージを持つだろうか。上下関係が厳しく、精神的にもハードな印象があるが、ブラック企業の中には「体育会系」の名を借りた悪質ないじめやパワハラが横行しているところも少なくない。
営業職の40代男性が過去に勤務していたOA機器販売会社は、体育会系だった。男性は「サービス残業は当たり前。休日出勤もしょっちゅうでした。そのうえ、有給はまったく取得できず、手取りも激安。毎月の売上、販売台数にノルマがあり、達成できないと上司にチクチク詰められました」と当時を振り返る。
ほかにも体育会系なブラック企業に勤務した経験談が寄せられているので紹介する。(文:林加奈)
【壮絶!ブラック企業体験談】最新記事はこちらから
上司のパワハラ証拠を記録し、しかるべきところにすべて報告した男性
内装工事の仕事をしていた30代男性は、当時勤務していた会社を「体育会系というよりは、スポーツマンシップから程遠い陰湿なパワハラ気質の会社でした」と語る。
「当時の上司は、気に入らないことがあれば理不尽なパワハラをするタイプで、数多くの若手社員を退職に追い込んでいきました。私は2年間、罵詈雑言を浴びせられてもリアクションはせず、パワハラの証拠を記録し続け、しかるべきところにすべて報告し続けました」
男性は、上司のパワハラを解決しようと、行動を起こした。その結果、「数年後、その上司は行き過ぎたパワハラで解雇され、転職先も1年も経たずに辞めてしまいました」という。一見するとスカッとする話に聞こえるが、この男性によれば「いまだに管理職の教育がされておらず、独自ルールで采配しているため、パワハラの蔓延するモラルのない会社です」と、パワハラ上司の解雇後も課題が残っていることを綴っている。
「正社員たちも『チンタラ動くな!』など毎日のように怒鳴りつけてきました」
別の30代男性は、物流センターの契約社員として働いたことがある。「人が少ないにもかかわらず、時間内にさばききれるわけがない物量を連日取り扱っていました」というから、現場は相当切羽詰まっていたのだろう。「正社員たちも『チンタラ動くな!』『あと数分だぞ!』など毎日のように怒鳴りつけてきました」と、当時の状況を明かす。
そんなパワハラに耐え続けていたある日、男性が退職を決意する瞬間が訪れた。
「当時、先頭切ってパワハラをしていたセンター長が『センターの生産率が芳しくない』と、頭を丸坊主にされて登場。『こんな体育会系の職場はもうたくさん』と、数か月後に退職しました」
こうしたブラック企業は、パワハラと体育会系はまったく別物であることを理解するべきだろう。
※キャリコネニュースでは引き続き「ブラック企業経験談」のほか【緊急募集】三度目の緊急事態宣言、あなたが思うことや現在困っていることを教えて下さいや緊急事態宣言でも出社などのアンケートを募集しています。