「どうしたらプロ野球選手になれますか?」 これは運営する野球レッスンなどで何百人もの野球少年たちと関わってきた中で、何度もされた質問です。
でも、残念ながらこの質問をする野球少年は、プロ野球選手になれる確率が極めて低いといえます。なぜなら、プロ野球選手になるような一握りの選手は"もうすでに選手を目指して活動している"からです。
これと同じような質問が「どうすれば成功しますか?」「どうすればお金持ちになれますか?」といったもの。このような"最短距離の質問"は日常生活でも溢れかえっています。
あなたも「そんなこと調べればわかるでしょ?」「それ、ちょっとは自分で考えてみた?」という質問を受けたことがあるのではないでしょうか。今回は、そういった質問をする人は要注意!ということをお伝えします。(文:ちばつかさ)
「どうしたら成功できますか? お金持ちになれますか?」という質問
整骨院やカウンセリング、野球のレッスンなど、相談を受けることの多い仕事をしているせいか、かなりの人から様々な質問が寄せられます。それ以外でも、聞きやすそうなのか道を聞かれたり、コインランドリーなどで機械の操作を聞かれたりもします。
正直、人に聞いた方が早いし、得することも多々あります。欲しいものがあったらお店で商品を探し回るより店員さんに聞いたほうが早いですし。ただ、思うのは"効率の良さ"と"楽をしたい"を履き違えていませんか?ということ。
最初から調べる気がなくて、のちに痛い目を見たという人も多くみてきました。例えば、クレジットカードのリボ払いで地獄に陥った人は、危険性などを調べずに「支払いが楽に!」という甘い言葉を信じて飛び込んだのではないでしょうか。何を隠そう、過去の僕がそうでしたから。
「どうしたら成功できますか?」「どうしたらお金持ちになれますか?」という質問は、成功者や、お金持ちの人なら耳が痛くなるほど聞かされた質問だと思います。
学生だったら楽をして最低ラインでクリアするために「何点で合格ですか?」「何単位取れば卒業できますか?」などの質問。もちろん参考に聞くのは別ですが、配布物に記載されている場合もありますよね。自分で調べることや行動することを怠れば、その先で差がつく可能性は高いです。
学生や社会人から「どうやったら起業できますか?」といった質問も多く受けてきましたが、大抵そういった人に限って高額セミナーに大金を出していたりするものです。そんなところに通わなくても目的や目標が強くある人はすでに起業して、もがきながら進んでいます。そもそも、その大金を使えば今すぐにでも起業はできます。
"調べる"練習をして武器を身に着けて
調べない、考えない、行動しない。この三つは僕が勝手に"三大怠惰"と名付けました。これをすればするほど策略にハマり、搾取され、情報に惑わされ、社会に振り回されてしまうと考えています。
このコロナ禍でも、目の前のものに振り回されている人も多いはず。コロナ禍で詐欺に遭い、相場50万円の車を300円で買わされたという相談も受けました。また、過去の成功法にすがるのも危険です。一方、不安や絵空事ばかり語って何も行動しない人もいることでしょう。
最短距離の質問や、直感だけでの思考や行動は、時に幸運をもたらすこともあります。過去、僕は三大怠惰の結果、ギャンブルにハマり、借金苦に陥り……と社会の罠にハマりまくっていましたが、何度もこの偶然の幸運に遭遇しました。でも一瞬だけなんです。あとはつらい。短期的な快楽は、長期的な苦痛を伴うということを身に染みて感じました。
おいしい話があれば、飛びつく前に、まず一度調べてみる。「なんでこんなにおいしい話なんだ?」「デメリットは?」「前はこれで大丈夫だったけど、今も大丈夫なの?」と考えて、行動してみてください。
簡単に情報が手に入る昨今。調べて、考えて、行動することは大切ですし、武器になります。その結果、困っていたら、行政なり何なり、どこに正しく頼るべきなのか、ということも分かるかもしれません。いままでそういうことを調べてこなかった人は、今日から少しずつでも"調べる"練習をしてみてもいいのではないでしょうか。
【筆者プロフィール】ちばつかさ
合同会社komichi代表。柔道整復師、こころと体のコーディネーター、元プロ野球独立リーグ選手。東京と福井で投げ銭制の接骨院を運営しのべ10万人近くの心と体に向き合ってきた。野球経験とコーチングの経験を活かし都内で"野球を教えない野球レッスン"を運営。レッスン卒業生がU12侍ジャパンの代表に選出された。現在、心理学を学ぶため、アラフォーで大学在学中。【公式サイト】