来週、ベルギーのスパ・フランコルシャンで開催されるWEC世界耐久選手権の公式テスト“プロローグ”と開幕戦スパ6時間を前に、LMHル・マン・ハイパーカークラスのバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)が設定された。
4月23日(金)にFIA国際自動車連盟から発表された初期のBoPでは、第1戦でLMHクラス唯一の車種となる『トヨタGR010ハイブリッド』と、2021年に限って出場が認められているLMP1カー『アルピーヌA480・ギブソン』を対象にマシンの最低重量、スティントの最大エネルギー量、パワーレベルが定められている。
ミニマムウエイトが1040kgのトヨタは最大スティントエネルギーが964MJ、ピークパワーの出力は520kW(約707PS)だ。
これに対して、昨シーズンまでレベリオン・レーシングが走らせていたオレカ製のマシンでレースを戦うアルピーヌは、GR010ハイブリッドより110kg軽い930kgとなった一方、エネルギーは920MJ、最高出力は450kW(約611PS)に抑えられた。
このBoPシステムはWEC新時代“ハイパーカー”時代のトップクラスで、LMP1クラスに採用されていたイクイバレンス・オブ・テクノロジー(EoT/技術の均衡)に取って代わるものだ。
市販車ベースのLMGTEプロとLMGTEアマでも引き続きBoPが設定され、月曜日の走行開始を前にその内容が明らかにされた。
プロクラスのフェラーリ488 GTEエボとポルシェ911 RSR-19は、それぞれ1260kgと1259kgというほぼ同じ最低重量に。スポット参戦するシボレー・コルベットC8.Rには1235kgのミニマムウエイトが与えられた。
2019年仕様のポルシェが初登場するアマクラスでは、これまでのシーズンと同様にプロクラスと比べて若干パフォーマンスが落とされる。たとえば、ポルシェはGTEプロがΦ30.8mm(×2)のエアリストリクターを装着するが、アマクラスではΦ30.3mm(×2)となっている。