職種や条件を選んで入った会社でも、入社後に「こんなはずではなかった」と思うことがある。人間関係や働き方、労働条件により、「働き続けることが困難だ」と感じるようになる人もいる。
キャリコネニュース読者からは「会社を辞めよう」と思ったエピソードが寄せられている。(文:コティマム)
院長が代替わりし人員も給料も激減「ボーナスをもらった翌月に辞めた」
個人経営の病院に勤務していた50代女性は、院長の代替わりをきっかけに退職した。この病院は先代の院長が創立し、規模を大きくしてきたという。
女性は先代の院長について「仕事に対する姿勢は厳しい人でしたが『厳しいだけでは人はついてこない』ことを知っている人で、飴と鞭の使い分けは上手でした」と懐かしむ。その言葉通り、先代の院長はボーナスのほかに臨時ボーナスをくれるなど、スタッフをねぎらう人だったという。
しかし院長が亡くなり、息子が引き継いでから状況が変わってしまった。
「とにかく利益優先。人員確保も怠り、どの部署も人手不足になりました。有給も取れません。給料は公務員に準ずる額で支払われていましたが、公務員の給料が引き下げられた時、我々の給料も下げられることになりました。決定月から下げられるならまだしも、12月のボーナスの時に4月分給料までさかのぼって差し引かれ、冬のボーナスはほぼなくなりました」
「多忙なのに給料は下がる」という結果に、職場の士気はどうしても下がってしまう。
「今まで『患者のため』と保っていたモチベーションも低下してしまい、ボーナスをもらった翌月に退職しました」
サービス出勤を100連勤以上「働いた分だけ給料が出る会社へ転職する」
IT業界で働く30代女性は、子会社への出向をきっかけに退職を決めた。
「子会社でデジタル化を推進する人材がいないとのことで、嫌々ですが出向扱いで着任。着任して最初に専務から言われたのが『予算を100万円も取ったから、某大手検索サイトみたいなサービスを2か月で作ってよ』との言葉でした」
女性は徹夜で資料を作り、検索サイトや大規模物販サイトの構築には数億円かかることをわかりやすくまとめ、専務に伝えた。しかし専務の返事は現実が見えていないものだった。
「『お前がパチパチやって(おそらくプログラミングの事だと思います)、寝ないで作ればいーじゃん。0円でできるだろ?』とのこと。『人も準備した』と言われましたが、全員兼任でIT経験者は0。しかも、私も実は総務の兼任だということがわかり、やる気をなくしました」
女性はそれでも、給料のつかないサービス出勤を100連勤以上しながら、なんとか道筋はつけたという。しかし、もうこの会社に留まるつもりはない。
「もともとIT人材は引く手あまたで、私も週に一度以上、ヘッドハンターから接触がある状況です。近日中にもっと待遇が良く、働いた分だけ給料が出る会社へ転職するつもりです」
より良い条件の会社へ転職を考えている女性。業務内容に理解がない職場でこき使われるより、早々と新しい環境で自分の力を発揮する方が精神的にもいいだろう。女性は
「これだけIT化・デジタル化と言われるなか、昭和の体育界系な仕事の進め方や価値観。これでは経営不振になるのも当たり前だと思います。この会社の幹部には理解できないと思いますが」
と綴った。
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