アップリンク 渋谷が閉館、26年間の営業に幕

「アップリンク 渋谷」が、5月20日をもって閉館することが発表された。設備や機材への投資をするタイミングで新型コロナウイルスが直撃し、存続が困難になったため閉館を決定したという。

　アップリンクは、1995年に前身となるイベントスペース「アップリンク・ファクトリー」を神南に開業。当時アップリンクで出版していたインディペンデント・カルチャー雑誌「骰子」のリアル版というコンセプトで、ライブやイベントのほか、16ミリやDVcamの規格で上映イベントも行っていた。宇田川町には2004年に移転し、「アップリンク X」の名称で日本一小さな映画館（2004年当時）と謳い、営業を開始。その後スクリーンを増設し、カフェやギャラリーを併設する現在の形に改装していった。単館シアターの代表格としてインディペントカルチャーを盛り上げ、26年間親しまれてきた。
　新型コロナウイルスの打撃を受けた昨年は、「アップリンク・クラウド」の見放題パックや、「アップリンク・ソフトドリンク付き回数券」の独自企画のほか、映画監督の深田晃司・濱口竜介が発起人となって有志で立ち上げた「ミニシアターエイド」による「未来券」の売上などで一般ユーザーから支援を得て、助成金や補助金を活用し、辛くも生き延びることが出来たという。しかし、感染収束の目処が立たない状況で経営継続の先行きが見えないとして、閉館を決断した。
　渋谷館の閉館後も、アップリンク吉祥寺、アップリンク京都、アップリンク・クラウドは営業を継続する。

■回数券などの利用について ＜アップリンク 渋谷会員＞「アップリンク 吉祥寺」「アップリンク 京都」で利用可能。会費の払い戻し希望の場合は5月21日に開設される問い合わせ窓口での対応となる。 ＜アップリンク渋谷 未来チケット>「アップリンク 吉祥寺」で利用可能。 ＜アップリンク 渋谷 ソフトドリンク付き回数券＞ 「アップリンク 吉祥寺」「アップリンク 京都」で利用可能。 ＜アップリンク渋谷 招待券＞「アップリンク 吉祥寺」「アップリンク 京都」で利用可能。