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KAT-TUN、新番組『何するカトゥーン?』『食宝ゲッットゥーン』スタート “タメ旅”でも発揮してきたバラエティ力

2021年04月21日 06:01  リアルサウンド

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リアルサウンド編集部

 KAT-TUNの新番組『何するカトゥーン?』(フジテレビ系)が4月19日深夜にスタートした。デビュー15周年記念の番組で月に一回、月曜深夜に放送される。続く、24日からはTBS系列で『KAT-TUNの食宝ゲッットゥーン』と、新たに2番組がスタートするKAT-TUN。本稿では、3月末に笑って泣いて最終回を迎えた『KAT-TUNの世界一タメになる旅!+』(TBS系)など過去の放送から、KAT-TUNのバラエティ力にフォーカスしてみたい。


(関連:KAT-TUN『タメ旅』、キスマイ『10万円でできるかな』、A.B.C-Z『ABChanZoo』…体を張った企画が見どころのジャニーズ番組


 KAT-TUNのバラエティ番組といえば、遡ること2005年放送の『KAT-TUN³』を経て、2007年『カートゥンKAT-TUN』、2011年に10回限定で放送された『KAT-TUNの絶対マネたくなるTV』(いずれも日本テレビ系)と、コンスタントに冠番組を持ってきた。


 ゲストを迎えてのスタジオトークに加えて、ロケにも積極的に出かけた。デニム生地のつなぎ姿が定番の衣装だった『マネたくなるTV』では、「ペア馬跳び」で非公式ながら世界記録を更新したことも。若さを武器に、体力勝負の企画にも随分と挑戦してきた。


 過去の番組を振り返ってみると、まだこの当時は大人しかった……と思ってしまうほど、KAT-TUNのバラエティ力が発揮されたのが“タメ旅”シリーズだろう。


 2015年4月からレギュラー放送がスタートした『KAT-TUNの世界一タメになる旅!』通称、タメ旅。「旅のルール」に沿って全国各地を周り、演出家のマッコイ斎藤扮する「天の声」のキツイ指令を受けながらの過酷な旅だった。


 当初は早朝の集合も珍しくなく、おまけに食事も宿の手配もなし、所持金ゼロ円、撮影の交渉も自分たちで行うなどの厳しい旅のルールが課せられていた。蜂の巣駆除にマムシの駆除と、春のパン祭りのノリで「春の猛毒祭り」と掲げ、白い防護服を着用して猛毒動物に立ち向かった。顔がよく見えず、ひたすら叫び声を聞いたことも……。


 朝が早いがために、爆睡するメンバーの寝起きを襲う番組スタッフ。熱々のインスタントラーメンでイタズラを仕掛けられたり、上田竜也の誕生日を祝うべく地元のラジオ番組に出演してメッセージを伝え、車のトランクに上田の好物であるタコを仕込んだり。最高級の水で水炊きをする企画では、わざわざ奈良県の洞窟に入って最高級の水で鍋をする命がけグルメ企画を敢行。これまでのアイドル×バラエティの方程式からは想像のつかないハチャメチャでスケールの大きな企画が多かった。


 レギュラー化される前の2014年1月11日放送回では、番組から提示された旅のルールに、亀梨和也は「大きい荒波を結構くぐってきてるんで!」と前向きな発言。メンバー脱退や充電期間と、何かあるたびに天の声による容赦ない“いじり”をバネに、ポジティブな雰囲気でファンの心配を払拭してきた。


 2016年3月にレギュラー放送を一旦終了。グループとしての充電期間を経て、2018年にParaviにて『KAT-TUNの世界一タメになる旅!+』として復活を果たした。地上波が主戦場だった当時、ジャニーズのレギュラー冠番組が配信されるのは初の試み。『KAT-TUN LIVE 2018 UNION』では天の声が登場し、Paraviでの配信を発表とバラエティらしいサプライズに歓喜したのも懐かしい。


 2019年4月からは地上波放送に切り替わり、2021年3月26日の最終回まで、シリーズとして捉えるとKAT-TUN史上最長の番組だ。天の声のなどのスタッフをはじめ、ゲスト、ロケ先で登場したインパクト大な一般人との絡みを通して見えてきたのは、メンバーの個性、バラエティ番組でしか見られない一面だった。


 亀梨はセクシーボイスでの胸キュン発言と料理。船上で大久保佳代子とシャンパンで乾杯をしたことがあったのだが、グラス同士がキスをするように傾げると小ネタを披露したほか、特にホテルシリーズとの相性が抜群で、天の声のフリを受けてセクシーな言葉を放つなど共演者も視聴者も沸かせた。また得意の料理の腕をふるう“かめざんまい”も印象深い。伊勢海老を使ったパスタは“かめざんまい”史上最高傑作と紹介されたほど。料理人さながらの本格的な料理でもてなした。


 上田は、破天荒な名言とストイックな挑戦。ダイエット企画では「シャドー・武道・やったるどーってな!」と名言ならぬ迷言で挑戦者を鼓舞。クールに見える上田だが、天の声のむちゃぶりではじまるシャドー、“ワンツー”ネタもすっかり定番に。即興でたくさんの笑いをもたらした。また、ダチョウの卵を額で割って爪痕を残そうと全力で立ち向かった結果、額にたんこぶができてしまった“力加減バカ男”事件と、上田のストイックさはバラエティでも健在だった。


 一方、繊細な人柄がみえてきたのは中丸雄一。地方のマイナーな場所を巡るマイナーツアーでは、キャラの濃い相手に心を閉ざすスイッチがオンになったり、たんぽぽ・白鳥久美子とは海外ロケで犬猿の仲になったり。その後、仲直り旅に出かけるも平行線を辿ったまま。しかし、それも相手を気遣うあまりこじれてしまったのだった。その上、理路整然とした語り口調が誤解を招いたようだが、初期の頃は中丸のロケ交渉術によって、旅がかなり充実したものだ。


 以前、番組プロデューサーにインタビューをした際に、3人について「根っからの優しいお兄さん」と、スタッフを気遣うメンバーの一面を明かしていた。過酷なロケに挑戦するメンバーとそれを捉えるスタッフ、過酷だからこそ同士のような気持ちが芽生えたとも語っていた。どんなお題にも、受けて立つ! と言わんばかりに生き生きとロケに挑み、やってのける姿がKAT-TUNらしくてカッコよかった。


 さて、19日に第1回目の放送を終えた『何するカトゥーン?』は、「やったことがないことをやる」という方向性。事前にKAT-TUNにやって欲しい企画を募集したところ、約2日間で1万4千通の応募が集まったと伝えられた。番組では新曲「Roar」「Flashback」を披露と、トークあり歌唱ありのこれぞ冠番組らしい構成だった。これからどんな企画が立ち上がるのか、一から番組を作っていくようで楽しい。


 また、4月23日からスタートする『KAT-TUNの食宝ゲッットゥーン』では、20代の若手新米ディレクターと番組を作るという。亀梨は「ディレクターさんの個性をどう引き立たせることができるかということを考えつつ、良い意味で遊べるように意識して臨みました」とコメントしたように、出演者でありながらプロデューサー視点を持ちながら携わっている様子。


 デビュー15周年を迎え、バラエティ歴もほぼ同じ年数を数えるKAT-TUN。2番組を通してまだ見ぬKAT-TUNに出会えそうだ。まずはメモリアルイヤーを冠番組で祝える喜びを噛みしめながら、番組を盛り上げたい。(柚月裕実)