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バックマン兄妹が世界戦に昇格。ヒュンダイ・エラントラN TCRでWTCR参戦へ

2021年04月20日 12:21  AUTOSPORT web

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2021年のWTCRには全6台が参戦することが決まった新型ヒュンダイ・エラントラN TCR
ともにTCRヨーロッパ・シリーズなどで戦い、優勝経験も持つ実力派ドライバー、アンドレアスとジェシカのバックマン兄妹がついにTCRの世界戦に昇格。これまで所属してきた“名門”ターゲット・コンペティションとともにステップアップし、2021年は新型ヒュンダイ・エラントラN TCRをドライブすることが決まった。また、クプラ陣営のトップチームとして戦うゼングー・モータースポーツも体制を強化し、エースのミケル・アズコナに加えて、長年にわたり同社の開発ドライバーを務めるジョルディ・ジェネの起用をアナウンスした。

 STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権を皮切りに、TCR UKやドイツ・シリーズなど、4輪昇格後の3年間をTCR規定カテゴリーで戦ってきたバックマン兄妹は、過去2年を戦ったヨーロッパ・シリーズを卒業し、いよいよWTCR世界ツーリングカー・カップに挑むこととなった。

 また今季からWTCRに投入されるヒュンダイの新型モデル、エラントラN TCRは、この決定によりノルベルト・ミケリス、ガブリエル・タルキーニのBRCヒュンダイN・ルクオイル・スクアドラ・コルセに、ルカ・エングストラーにジャン-カール・ベルネイが加わったエングストラー・ヒュンダイN・リキモリ・レーシング・チームと合わせて、全6台が参戦する。

「私のキャリアにとって大きな目標、そして最大の野望のひとつが、このFIA WTCR世界ツーリングカー・カップに参戦することだった。その目標を達成し、ここで世界最高峰のツーリングカー・ドライバーたちと勝負できる日が来るなんて、いまだに信じられないのが正直なところよ」と、昇格の喜びを語ったジェシカ。

 一方、2020年もヨーロッパ・シリーズで勝利を挙げ、ランキング6位となった兄のアンドレアスも「レーシングキャリアの次のステップを踏み出し、ドライバーとしてさらに成長することを楽しみにしている」と意気込みを述べた。

「WTCRへのステップアップは長期的な目標であり、僕らのチームであるターゲット・コンペティションとともに、この段階を踏む準備ができたと感じている。多くのドライバーが長年の経験を持ち、数人の世界チャンピオンがスタートラインに着く。難しい戦いになるだろうが、この挑戦を楽しみにしているよ」


■クプラ陣営のゼングーは今季4台体制に

 2019年にはヒュンダイ・モータースポーツのジュニア育成ドライバーにも指名されたジェシカは、WTCRにフル参戦する初の女性ドライバーとして、今季から創設の“FIA Female Driver Title(FIA女性ドライバー・タイトル)”を争うことになる。

「競合次第ではあるけれど、私が開拓者としてWTCR初の女性ドライバーになるのはいつも夢見ていることであり、モータースポーツに興味を持ち、参入し、続けていく女性たちの刺激と後押しになれればと思っている。できる限りプッシュしたいし、新しいシーズンが始まるのを楽しみにしている」とジェシカ。

 一方、クプラ・レーシングの前線部隊を担うゼングーは、昨季から新型クプラ・レオン・コンペティションTCRを走らせてきたが、2021年に向けてはその体制を4台に拡充すると発表。そのうちの2台を、アズコナとジェネに託すとアナウンスした。

 新たに始まるTCRのEVシリーズ、PureETCR(ピュアETCR)でもクプラを代表して参戦するこのペアは、デビューイヤーに地元スペインのモーターランド・アラゴンで挙げたアズコナの勝利を再現すべく、さらなる成功を目標に掲げる。

「こうしてWTCRで引き続きクプラと戦えてうれしい。勝利を挙げた2年を経て、2021年の目標は世界タイトルを争うことしかない。ジョルディ(・ジェネ)のような経験豊富なドライバーの隣で競争力を高め合い、レオン・コンペティションTCRから最高のパフォーマンスを引き出すことに集中したい」と意気込むアズコナ。

 一方、世界的なシリーズ戦の舞台としては、ランキング3位を獲得した2015年のTCRインターナショナル以来の復帰となるジェネは、待望のWTCRデビューに向け「彼らのような水準のドライバーたちと戦えることに、心からワクワクしている」と抱負を述べた。

「ご存知のとおり、私は開発ドライバーとしてクプラ・レオン・コンペティションTCRの初期段階から関わってきたので、このモデルに何ができるかを熟知しているつもりだ。優秀なミケルと協力して戦えれば、本当にエキサイティングなシーズンになるだろうね!」