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スポーツランドSUGOがS耐第2戦で第1期改良工事後初のビッグレースを迎える。改良点を写真で

2021年04月17日 09:51  AUTOSPORT web

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リニューアルオープンしたスポーツランドSUGOの西ピット棟
4月17日、公式予選が行われるスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第2戦『SUGOスーパー耐久3時間レース』。このレースは、スポーツランドSUGOの一部が改良されてから初めてのビッグレースとなったが、改良されたエリアを写真とともにご紹介しよう。

 宮城県柴田郡村田町のスポーツランドSUGOは、2020年11月からピットロード拡張と西ピットの改修などを行う改修工事が行われてきた。2020年8月に地鎮祭が行われた後、11月9日から2021年3月末まで第1期工事が行われた。

 今回の第1期では、ピットロードの拡張、西ピットの建て替え、メディカルセンターや車検場の移設等が行われ、4月1日にリニューアルオープン。今回のスーパー耐久が初めてのビッグレースとなる。

 まずパドックについては、最終コーナー寄り西ピット裏側にあったメディカルセンターが、1コーナーイン側のEパドックに移り新築された。また、これまでメディカルがあった場所には人工地盤が築かれ、車検場が建てられた。どちらの施設とも近代的なものになり、これまでパドックにあった車検場が無くなったことから、パドックは広くなり車両の移動もしやすくなっている。

 また西ピットについては、これまで間口が狭かったピットサイズが統一され、車両に対して余裕ができている。奥行きは富士や鈴鹿等に比べると狭いが、これは仕方ないところか。そしてピットレーンは2メートル拡張され、かなり広さを感じる。

 西ピット棟はこれまでも2階部分があったが、こちらも改装され内部も清潔で快適になっている。またトイレも新しくなっており、快適性は大いに高まっている。トイレはパドックエリアで過ごすときには非常に重要で、もともとの建設が古い岡山やオートポリスは不満が多く聞かれるが、SUGOは西ピット側については不満は減るはずだ。

 またコース上も改良されている。3コーナーアウト側のランオフが舗装されているほか、ピットロード出口が改良され、これまで2コーナー立ち上がりで合流していたものが、3コーナー出口で合流するかたちになっている。

 ただ、このピットロード出口については、複数のドライバーに聞いたところ、「これまでよりも良いと思う」「このレイアウトの方が安全」という声が聞かれた一方で、危険性を指摘する声もあった。というのも、3コーナー出口はちょうどコーナリングから外側にラインがはらんでいく場所で、この位置に出口があるからだ。

 このピットロード出口は2コーナー立ち上がりからガードレール沿いに続いており、2コーナーを走行してきたマシンは視界にピットアウトするマシンを入れながら3コーナーに入っていくことになる。また出口ではピットアウトする車両がいるとホワイトフラッグが振られ、本コース上に注意を促す。

 ただピットアウトする側は、車種にもよるが、ちょうど本コース上がサイドミラーの死角になってしまう車両が多いようで、コース上に車両が来ているのか把握できないのだという。現代のレーシングドライバーはHANSが装着されており、市販車をドライブしているときのように首は振れず、シートもサイド部分は覆われており、後方確認は多くはミラー任せになる。さらに右ハンドル、左ハンドルでも見え方は異なる。

 また出口付近のコーナーが鋭角で、合流時に十分車速を上げられないという声もあった。ピットアウトする際は、「基本的に本コース上の人にまかせるしかない」「本コース上の人が、ピットアウトする人をリスペクトするしかない」という意見も。

 4月16日のスーパー耐久専有走行ではそこまで危ないシーンは見られなかったが、「これがレースになったときにどうなるか」という声も。またウォームアップが早いハンコックを使うスーパー耐久はまだしも、コールドタイヤで慎重なウォームアップが求められるスーパーGT等のレースでどうなるかは実際走ってみなければ分からないだろう。全員に意見を聞けているわけではないが、当然スーパー耐久シリーズでは安全には細心の注意が払われている。ドライバーたちがこのレイアウトに慣れ、アクシデントが起きないことを願いたいところ。

 今後スポーツランドSUGOは2021年11月~2022年3月の予定で東ピット(1コーナー寄り)を改修。またBパドック/Cパドックの整地を行う。また将来的にはコントロールタワーの移設も視野に検討しているという。