新型コロナウイルス感染拡大の影響で、卒業旅行をしたかったけど断念した新社会人も多いだろう。
企業ブランディング提案を行うトゥモローゲート(本社:大阪市中央区)は2021年度から「卒業旅行休暇」制度を導入した。新入社員に計5日間、入社2年目以降の社員に2日間の特別休暇を付与。分割しての取得も可能で、Go Toトラベル再開など政府が旅行を推奨したタイミングでの取得を呼びかけている。
新卒だけじゃない!先輩社員も「飲み会や旅行の機会が失われ、ストレスに」
2度目の緊急事態宣言が発令された今年2月、政府から卒業旅行や謝恩会を控えるよう呼びかけがあり、学生たちの間で混乱が広がった。こうしたニュースを見た社員から、「何かできることはないか」という声が挙がり、制度設計・導入に至った。
同社広報担当者は、「コロナ禍で青春を共にした仲間と最後の思い出づくりの機会が失われたのは非常に残念なことです」と話す。
「これをきっかけに弊社に興味を持ってくれたり、知ってもらえたりすればと考えています。また社員からの提案を制度とすることで、意見提案の心理的ハードルを下げ、『新しいことにどんどん挑戦する会社なんだ!』と思ってもらえ、風通しのいい職場につながることを期待しています」
同休暇は入社2年目以降の社員にも付与されている。同社は昨年度の大半がテレワークで、「飲み会や旅行の機会が失われたことが目には見えないストレスの原因になっていると考えています」と説明する。
「ストレスは仕事のパフォーマンスに影響します。長期休暇で家族との時間や、仲間とのリフレッシュの時間を確保してもらってパフォーマンス向上につながれば。企画やデザインといったクリエイティブ業務が多いので、この休暇でモチベーションを高めてもらえるのではと考えています」
「友人との夢だったスペインの本場のバルに行きたいと考えています」
この制度に対し、新入社員からは、
「素直にめちゃくちゃ嬉しかったです! 元々旅行が好きで、去年は大学4年生で時間があるにもかかわらず、コロナで旅行へ行けないという状況でしたので」(男性社員)
「コロナの状況次第ではありますが、友人との夢だったスペインの本場のバルに行きたいと考えています」(女性社員)
といった声が挙がっている。2年目以降の社員からも「親が今年還暦を迎えるため、還暦祝いの家族旅行に行くために使おうと思っています」といった声が寄せられた。
西崎康平代表は「働くことはオモシロイ」ということを、特に若い世代に伝えたいという。同社ではほかにも、月曜日の出勤時間を15時に繰り下げる「ブランクマンデー」や、病院の領収書もしくは診断書を提出すると年3日まで給与の全額を保証する「メディカル休暇」、最長10年取得可能の「産休育休制度」なども実施している。