マクラーレンのダニエル・リカルドは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に大きな尊敬の念を抱いているが、その気持ちは互いに抱いているもので、レッドブルでリカルドの後任となったドライバーたちが苦しんだことを考慮すると、彼ら相互の尊敬の念はさらに大きくなってすらいると考えている。
フェルスタッペンとリカルドは2016年から2018年末までチームメイトとしてすごした期間に、レッドブルで9勝を挙げた。闘争的なペアの連携は成功したことが証明されたが、2018年の第4戦アゼルバイジャンGPのように何度か火種が見られたこともあった。
今では別のチームでレースをしているリカルドとフェルスタッペンだが、コース外では健全な友情を築いている。F1でガレージのスペースをもはや共有することのないふたりのドライバーは、親交と互いを尊重する心を確かに育んでいる。その関係は、リカルドがこれまでのところ途轍もなく速いフェルスタッペンと肩を並べた唯一のレッドブルドライバーであるという真実によって、強化されているのかもしれない。
「ふたつの理由から、今では僕とマックスは気軽に友達づきあいができると思っている」とリカルドは『Square Mile』のインタビューで説明した。
「ひとつは、もちろん僕たちは直接競うことがないからだ。基本的に互いのキャリアを終わらせようとはしていないからね!」
「僕が考えるふたつめのポイントは、もちろん僕は彼のチームメイトだったときにレースで優勝したりポールポジションを獲ったけれど、彼は僕のことをいつも速いと思っていたし、尊敬もしていた。でも僕がチームを離れてから他のドライバーが入ってきて、彼は異なる何人ものチームメイトを持つことになった。おそらくそのことで僕に対する彼の尊敬の気持ちはいっそう大きくなったのかもしれない」
「僕たちは決して憎み合っていたわけではない、ただ互いのキャリアを終わらせたかったんだ! それほど単純なことだよ」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、2018年末にレッドブルを離脱するというリカルドの判断について、彼は“戦いから逃げた”とみなしたとほのめかしたことがある。リカルドの移籍が正しいかそうでないかにかかわらず、ホーナーはその後同等に強力なラインアップをそろえることが困難であると証明されたと認識しているようだ。
またピエール・ガスリーとアレクサンダー・アルボンがリカルドの後任として十分な結果をもたらすことができなかったことも、その仮定を裏付けており、フェルスタッペンと比較したリカルドの強さがはっきりと認められた。
「正直なところ、レッドブルは僕とマックスがいることでどれだけの力があるか分かっていたと信じているよ」とリカルドは語った。
「彼らは明らかに、僕たちがトップ層にいることを分かっていた。そして彼らは僕の後のシートを埋めるドライバーについて苦労することを予想していたかもしれない」
「分からないけれどね。でもチーム外の人たちはマックスと僕が互いにプッシュし合って、あのレベルに達したことを過小評価していたかもしれないと言えるよ。そして明らかにピエールやアレックスはそれより上には行けなかった。少なくともかなり早い段階でね」