新型コロナウイルスは、現在も収まることなく感染者を増やし続けている。緊急事態宣言や飲食店に対する時短営業の要請などの対応に追われている自治体もある。
企業としてもコロナ対策は必須になっており、リモートワーク導入や換気の徹底など対策に取り組んでいる。そんな中、コロナを理由に退職したとの声もあがっている。
広島県40代女性は、地方スーパーの仕分けセンターで働いていた。しかし、現在は退職。「周囲の意識の低さに耐えきれませんでした」と振り返る。彼女の職場で何が起こったのだろうか。コロナを理由に退職した人のリアルを紹介する。(文:中島雄太)
「上司がマスク無しで口もおさえずクシャミを撒き散らしながらは耐えられない」
女性は、大手運送会社が運営する大規模な冷凍冷蔵センターで働いていた。「かなり大きなセンターだったので、様々な地方や地域食品のメーカーが24時間出入りしていました」と綴る。
「ドライバーをはじめ、内勤の方も含めて、みんなマスクをしていませんでした」
マスクをつけてもらうために、「近くでコロナが出ましたよ」と遠回しに伝えたが、返事は「このセンターで出たわけじゃないから」「周りでたくさん出てるからそのくらいじゃ驚かない」などといったものばかりだった。
さらに会社の対応も女性を困惑させる。多くの社員が「このセンターで一番早くコロナになりたくないから言わない」という雰囲気になっていたからだ。
「自分の身は自分で守るという意識を持っていても、上司がマスク無しで口もおさえずクシャミを撒き散らしながらの密閉空間で仕事をするのは耐えきれませんでした」
「自腹で除菌シートを買ってオフィスの机などを拭いていました」
IT関係の東京都40代女性は、「会社がコロナの予防対策をまったくしない」ことに不信感を募らせ、退職を決意した。
「向かい側の人と間隔を開けずに仕事をしていました。オフィスの換気は一切しません。消毒についても、除菌シートとハンドソープしかありませんでした。その除菌シートは節約して使うように言われ、自腹で除菌シートを買ってオフィスの机などを拭いていました」
検温は出社時に徹底されていたが、「もし熱があれば帰ってください」と言われるだけで、不信感を抱いて退職をした。
東京都でマスコミ関係の仕事をする30代男性は、「会食を中止しない経営者に不安を感じました」と振り返る。経営者は会食を頻繁にしつつも、会食をしてニュースとなった政治家を批判していた。
さらには「リモートワークは、サボっているのと一緒だ。パソコンで仕事したふりをしている。楽ばかりしている連中がやることだ」と全社員の前で公言し、会社への導入を見送った。
そのため全社員がフル出社をする。社内はいつも密集状態が続き、不安を感じた男性は退職を決断した。
※キャリコネニュースでは引き続き「電話対応が苦手な人、苦手だった人」のほか「不労所得がある人」や「モンスター新人目撃談」などのアンケートを募集しています。