2年ぶりに開幕戦の地としてシリーズ復帰を果たした2021年スーパーGT開幕戦、岡山国際サーキットでのGT500クラス公式予選は、地元オープニングラウンドで“岡山マイスター”ぶりを発揮しQ1突破を果たした平川亮と、代役参戦ながら見事なアタックで最速を刻んだ阪口晴南の37号車KeePer TOM’S GR Supraがポールポジションを獲得。最終戦の最終コーナー立ち上がりで敗れた2020年ランキング2位の雪辱を期すべく、まずは幸先良く最前列を確保した。
一方、2020年デビュー時には車体前傾角を付けたレイクアングル採用や、最高速の伸びで富士スピードウェイを席巻したトヨタのGR Supra勢は、装いも新たにTGR TEAM ENEOS ROOKIEとしてエントリーする14号車ENEOS X PRIME GR Supraが4番手、37号車KeePerが5番手に。その背後6番手の23号車MOTUL AUTECH GT-Rも首位からコンマ6秒差程度と、FR規定のイコールコンディション初年度だった昨年度よりもさらに熾烈なコンペティションとなることが予想された。
各車コース上でクリアな場所を探りながらウォームアップを進めると、計測4周目で8号車ARTA野尻智紀がまずは1分19秒フラットでコントロールラインを通過。さらにその直後に36号車au TOM’S GR Supra、38号車ZENT CERUMO GR Supraが1分18秒を切ろうかというタイムで首位を奪っていく。
その後ろ姿を見ながらアタックに入っていた2019年チャンピオン、14号車ENEOS X PRIMEの山下健太も続いてコントロールラインを通過するも、1分18秒091とわずかに届かず。3番手の38号車ZENT石浦宏明、4番手36号車au TOM’S関口雄飛まで上位4台がTOYOTA GR Supraという午前とはまるで異なる上位オーダーに。
5番手に続いた16号車Red Bull、6番手の64号車Moduloと2台のNSX-GTを挟んで、19号車WedsSport ADVAN GR Supraが2台となった今季のGT500クラスのヨコハマタイヤ装着車のなかで7番手、そしてチェッカーラップで17号車Astemo NSX-GTを蹴落としたヘイキ・コバライネンの39号車DENSO KOBELCO SARD GR SupraまでがQ2へと進出。
続く36号車auの坪井翔、14号車ENEOS X PRIMEの大嶋和也も2番手を奪い合う好タイムながら、わずかに坂口には及ばず。
「昨年に続いて助っ人にオイシイところを持っていかれて寂しい気分もある(笑)」と、代役の仕事を称えた平川が話せば、「直前まで平川選手がアドバイスをしてくれたおかげ」と先輩を讃える阪口。KeePer TOM’S GR Supraが、2021年シーズン最初の予選で見事にポールシッターの座を射止め、阪口にとってはGT500クラスの初ポール獲得となった。
さらにフロントロウの14号車ENEOS X PRIME GR Supra以下、36号車au、39号車DENSO KOBELCO SARD、そして38号車ZENT CERUMOまで上位5台のグリッドをGR Supraが占拠した公式予選。ホンダ、ニッサン勢の巻き返しはあるのか、明けた11日午後13時30分から2021年最初の決勝、82周300kmの勝負が幕を明ける。