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英フィリップ王配が99歳で崩御 13歳だったエリザベス女王との出会いから英国史上最長の君主配偶者に

2021年04月10日 03:41  Techinsight Japan

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エディンバラ公フィリップ王配が99歳で死去(画像は『The Royal Family 2021年4月9日付Instagram「It is with deep sorrow that Her Majesty The Queen has announced the death of her beloved husband, His Royal Highness The Prince Philip, Duke of Edinburgh.」』のスクリーンショット)
英王室のエディンバラ公フィリップ王配が、現地時間9日の朝に崩御したことをバッキンガム宮殿が伝えた。滞在先のウィンザー城で静かに息を引き取ったという。99歳だった。エリザベス女王(94)とは73年の結婚生活を送り、今年6月には100歳の誕生日を迎えるはずだった。

バッキンガム宮殿は現地時間9日に声明文を発表し「女王陛下が、最愛の夫エディンバラ公フィリップ殿下の死を発表されたことを、深い悲しみを持って受け止めています。殿下は今朝、ウィンザー城で静かに息を引き取られました。詳細は追ってお知らせします。英王室は、世界中の人々と共に殿下の死を悼んでいます」と伝えた。

フィリップ王配は今年2月16日に滞在先のウィンザー城で体調を崩し、ロンドンのキング・エドワード7世病院に入院した。3月1日には市内の聖バーソロミュー病院(St Bartholomew’s Hospital)へ救急車で転院。現地時間3月4日に同病院での心臓手術が成功、翌日にキング・エドワード7世病院に移った。現地時間3月16日には、これまでで最長となる28日間の入院生活を終えて、エリザベス女王が待つウィンザー城に戻っていた。

エリザベス女王は今後8日間は喪に服すため、私的なものを含む一切の公務を遂行しなくなる。議会を通過した法案を法として発行するため、女王が個人的に承認するロイヤル・アセント(国王の裁可)も行われない。8日が経過した後、さらに30日間は王室の公式な追悼期間が続くことになる。英国中が喪に服し、バッキンガム宮殿をはじめとする国内各地で半旗が掲げられる。

フィリップ王配の死を受け、英ボリス・ジョンソン首相は首相官邸前で声明を発表、「本日、国民の思いは女王とその家族に向けられなければなりません。彼らは非常に愛され尊敬された公人であるだけでなく、献身的な夫であり、誇りと愛に満ちた父親、祖父、そして曾祖父を失ったのです」と追悼の意を述べた。

フィリップ王配は1921年6月10日、ギリシャのコルフ島でギリシャとデンマークのアンドレアス王子の長男として生まれた。叔父であるギリシャ国王が退位を余儀なくされた後、家族でフランスやドイツなどに亡命、その後ユダヤ人が設立したスコットランドの学校で寮生活を過ごした。

1939年には王立海軍大学に入学。当時13歳のエリザベス(当時は王女)が大学を訪問した際、校内を案内したフィリップ王配に恋心を抱き、その後数年間手紙のやり取りが続いたとされる。2人は1947年に結婚し、チャールズ皇太子、アン王女、アンドルー王子、エドワード王子の4人の子供を授かった。王配が逝去した9日は、長男チャールズ皇太子(72)とカミラ夫人(73)の16回目の結婚記念日にあたる。

女王と73年以上の結婚生活を送った王配は、英国史上最も長く君主の配偶者を務めた人物となる。人生の数十年を公務に捧げ、96歳だった2017年5月に公務から正式に引退すると発表した。

2013年には、王配が政府関係者に「正式な国葬に向けての大騒ぎはしたくない」と話したことが伝えられた。王配の遺骸は、葬儀が行われるまでウィンザー城に安置される。国葬はウィンザー城内の聖ジョージ教会で行われ、TV中継されるとみられる。葬儀の後、王配はウィンザー城内にあるフロッグモア・ガーデンに埋葬される予定だ。

画像は『The Royal Family 2021年4月9日付Instagram「It is with deep sorrow that Her Majesty The Queen has announced the death of her beloved husband, His Royal Highness The Prince Philip, Duke of Edinburgh.」、2020年11月19日付Instagram「This new image has been released to mark the 73rd wedding anniversary of The Queen and The Duke of Edinburgh tomorrow.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)